パナソニック株式会社 増森 毅様よりご講演をいただきました(経済学部 特講L2 グローバルビジネス論)

 2015年1月14日(水)、経済学部特講L2「グローバルビジネス論」 (三木担当)では、パナソニック株式会社 関西渉外室部長 増森 毅 様をお招きし「“モノづくり”から“コトづくり”〜そして社会的課題の解決へ」というテーマでご講演をいただきました。

増森 毅 様 ご略歴

 NECにて大手物流企業向けロジスティクスシステム構築に従事。ヘッドハンティングにて松下電器産業(現パナソニック株式会社)に転職。コンピュータやソリューションビジネス、ロジスティクス改革などに従事した後、現在は、パナソニック本社渉外部門で成長戦略・環境エネルギー・産官学連携などの政策提言ならびに官庁、自治体、企業、大学、経済団体との渉外活動を担当している。
 横浜国立大学大学院 国際社会科学研究科修士(MBA)、財団法人日本ロジスティクスシステム協会認定 ロジスティクス経営士、サプライチェーン視点からの企業改革や組織間の合意形成などのセミナーも多数

ご講演の内容(大項目のみ)

・技術の進化と“モノづくり”(高度成長期/便利さの追及 → グローバル化/多様性)
・ネスカフェのビジネスモデルイノベーション
・技術の進化と“コトづくり”(社会的課題の解決)
・マーケティングの基本原理

今回のご講演で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

匿名希望 さん (経済学部3年)
 今回の講義で「ベネフィット」という言葉を覚えました。これは身近にあったにもかかわらず、言われてみて初めて意識しました。ネスカフェのアンバサダーや、スーパーマーケット内のパン屋さんの横にイートインを作りコーヒーを提供することなど、少し考え頭をひねればこのようなアイディアは今のこの便利な世の中でたくさん出てくると思います。これは新しい商品を一から作るよりははるかに楽だし、いろいろな便利なものであふれている今ではアイディア1つですごい利益を生む可能性を秘めているのだと気付かされました。
 本当に今回の講義も有意義で良い講義でした。

高井 一雅 さん(経済学部3年)
 今日のご講義を聞いて感じたことは、互いの利益を高める「場所」づくりが1つのビジネスモデルになってきているということです。
 最初に挙げられたネスカフェの例では、会社やショッピングセンターにコーヒーを飲める「場所」を作ることで、様々な効果がありました。会社ではネスカフェのコーヒーメーカーを置くことで安くコーヒーが飲め、更にはコーヒーを求めて集まった人同士で交流が起こるようになりました。また、ショッピングセンターではベーカリーの隣にコーヒーを飲めるスペースを作ることで、パンとコーヒーをセットに楽しむ人が増え、人々が集う場所となりました。結果として、ショッピングセンターの来客数は増え、パンの売上も伸びることとなりました。
 この2つの例のように、互いに利益を得られるような「場所」そのものを一から作っていくということがビジネスになりつつあるのだと感じました。また、ショッピングセンターにコーヒースペースを設けようと提案したのは女性の一般社員だったそうです。クリエイティブな思考を持つことでビジネスチャンスはたくさん生まれるのだと思いました。

原田 凌耶 さん(経済学部2年)
 増森さんのご講演を聞いて、自分の中でのビジネスに対する考え方と知識が広がりました。
 増森さんは頻繁に「ベネフィット」(価値)についてお話されていましたが、このベネフィットっとビジネスはとても深い関係のものだということが理解できました。
 まず1つわかったことは、ビジネスには多くの経営モデルがあり、それは様々な職業、経営スタイルによって異なってくる、その中で例にあった、ネスカフェのアンバサダーはとても面白い経営モデルだと思いました。コーヒーを通してコミュニケーションの場を作る、そんな誰でも思いつくような当たり前のことが、ネスカフェの成功に繋がったのだと思うとすごいと思いました。
 もう1つは、ベネフィットについてです。社会には様々な分野のビジネスがあります。例えば農業のベネフィットを高めていくとやり方によっては大きなビジネスになります。でも私が難しいなと思ったのは、これからのビジネスのベネフィットを集め、掛け合わせることでエコタウンのような更に大きなベネフィットを生み出せることです。生み出すだけでは意味がなく、その価値を理解してくれる顧客を選ぶのや大変ですが、ビジネスの奥深さに感心させられた気がしました。


李 章徳 さん(経済学部2年)
 今日のお話を聞いて、かつては車や携帯電話にしても便利を追及していたのが、グローバルな世の中では車ひとつとってもその価値はそれぞれの国の文化によって価値観が異なることがわかりました。
 日本で多く売れている商品だからといって海外でも売れるということではなく、その国の文化によって売れるものは何なのか、を詳しくマーケティングしなければ、海外では売れないことを知りました。ネスレという食品企業は、日本で「ネスカフェアンバサダー」というビジネスモデルを考え、単なるコーヒーという価値以外に「職場の人を集めるきっかけにした」という新たな価値を生むことに成功しています。しかし、ネスレのように末端の社員から良いアイディアが上に上がってくることは、一般の会社では少ないのではないかと思います。そういう意味ではネスレはイマジネーション豊かな企業であると言えるでしょう。
 私もネスレのように、アイディアでビジネスを展開して、誰もがワクワクするような提案を出せるよう、頑張っていきたいです。