大阪府商工労働部との連携事業「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」㉔
三郷金属工業株式会社を訪問しました(経済学部三木ゼミ2年生)

 2017年12月6日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、守口市にある三郷金属工業株式会社を訪問し、代表取締役社長の児島貴仁さん、営業部の前川彰文さんからお話をうかがいました。
 三郷金属工業株式会社は昭和21年(1946年)創業、創業以来パナソニックとの(近年はリチウム電池の端子溶接加工を専業に)実績を積み、自動車、デジタル機器や住宅関連等にも採用されています。平成24年(2012年)には大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生は今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。

(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業振興機構、地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所で構成

 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部2年生 岡崎 維也 さん

 今回、三郷金属工業さんを訪問して感じたことは大手に近い企業だと感じました。
 主にレーザー溶接をメインに行っているとありましたが、自動車用の電池製品やエンジンの部品の仕事など幅広い分野で活躍されていました。どの分野も溶接をメインにしていて溶接一つでもこれだけ幅広く仕事ができることに驚きました。私が大手に近いと感じた部分は溶接以外に化粧品の管理、医療関係の事業を行っている部門や開発グループを持っているところです。私の中で大手企業とは、メインとしている事業があり、それ以外に他方面の事業にも取り組んで様々分野で収益をあげているイメージがありました。また製造、開発、検査、営業、事務といった部門に分かれ一つのことに専念しているイメージがありました。三郷金属工業さんも溶接をメインの事業にして他方面の事業として化粧品の管理や医療分野の業務を行っているところや、事務や開発といった部門に分け一つのことに専念しているところに大手らしさを感じました。メインの溶接業務も相当レベルの高い技術力を持っていると感じました。リチウム電池における溶接では世界シェアNo.1の企業として活躍していました。これはとても高い技術がないと務まらないと思うのでさすがに驚きました。また他社の5倍の金額で提示しても取引してもらえるとおっしゃっていたので本当に高い技術力を持っているのだと思いました。
 また三郷金属工業さんの社長さんも魅力的な方だと感じました。本来社員が不足していて人を採用したいはずなのに初めて会った私たちに就職活動で成功するためのアドバイスを熱く語っていただきました。初めて会った人にそのようなアドバイスを熱心にできる人なんてなかなかいないと思います。これまでの企業でも私たちの就職活動を応援していただいた企業はありましたが、私たちの希望に近づいてほしいと言ってもらえたのは初めてでとてもうれしく感じました。そのような社長の下で頑張っている社員の方はやはり入社した時よりも成長していると言っていました。ある社員の方は人まで話すことができなかったが今では普通に話せるようになったと言っていました。このように社員を成長させられる社長がいる企業は素晴らしいと感じました。
 今回の訪問で自分自身成長して高められる企業に就職したいと思いました。そのほうが仕事を楽しくすることができ充実した日々を送れるのではないかと思いました。仕事はつらくて嫌なものではなくて楽しくできるものではないかと私の社会人の嫌なイメージを変えるきっかけになりました。このような企業を探していきたいです。

経済学部2年生 藤田 健司 さん

 先日私は、大阪府守口市にある三郷金属工業株式会社に訪問をしました。会社の外見は町工場だと思いました。会社内に案内され、社長自ら会社説明をされたことに驚きました。三郷金属工業は、あらゆる金属を溶接できるのが強みの会社です。取引相手が以前は主にパナソニックでしたが、最近他社とも取引をするようになり今では約100社の会社と取引をしていることに驚きました。それに溶接以外にも事業に力を入れて会社の未来を考えている社長が素晴らしいと思いました。会社説明の中で特に印象に残っているのは社長が「質問が無いことはその企業に興味がないと言うことで、就活でそれをすると痛い目みるよ」と言われたことがすごく頭に残りました。社長は私たちのことまで考えており、とても心の広い方だと思いました。さらに来年世界で初めてのハーモニカの部品を三郷金属工業が溶接し発売されるとのことで中小企業のイメージが少し変わり、三郷金属工業は世界に通じる技術を持っているのだと分かりました。
 会社説明が終わり工場見学に行きました。会社内はとても綺麗で働きやすい職場だと感じました。社長も私たちについてきてくれて、逐一説明してくださりとても分かりやすかったです。工場を見ているうちに人員も多いが機械も多くこれだけの機械を揃えるには多額の投資をしたのだろうと思い社長に質問すると「種類によって異なるが一機約1000万円で安い」と社長はおっしゃいました。私にはそれでもとても高いと思いました。
 工場見学が終わり、若手社員インタビューで「子供に自慢できることを成し遂げる」や「日本の企業をもっと良くしたい」などの回答があって、社長のみならず社員も会社の将来について真剣に取り組んでいることが分かりました。「社長についてどう思われますか」と聞いたところ若手社員一同そろって「無茶振りが凄い」でした。しかしその無茶振りがとてもやりがいがあるとおっしゃり、社長と社員の関係がとても良好だと思いました。社員のやりたいことを極力させる所も三郷金属工業の強みだと理解しました。私的には、三郷金属工業は中小企業の中で理想的な会社だと思います。

経済学部2年生 渡邉 果穂 さん

 私たち三木ゼミ生は12月6日に守口市にある三郷金属工業株式会社を訪問しました。
 今回の企業の事業内容としては、薄板精密溶接をしている企業です。Webを最初見たときは、溶接ってなんだろうと思っていました。イメージしたのは、モノを溶かす。ただそれだけでした。実際にはアルミニウムと銅など、難しいとされている異種金属の溶接や、50ミクロンの薄板にレーザー溶接などをされている企業でした。三郷金属工業さんは取引先からサンプルを依頼されてからものづくりを開始します。それからは、比較テストなど様々な段階を踏んでからモノが完成されます。私は様々な段階を踏んでいることに感心しました。様々な段階を踏むことで取引先に喜んでもらえる加工ができると思ったからです。
 私が三郷金属工業株式会社に魅力を感じたことは2つあります。1つめは、国に関わる仕事や世界初の仕事に携わることができることです。大手企業では頻繁に大きな仕事に携わることができるかもしれませんが、中小企業でこんな仕事に携わることができる企業は少ないと思ったからです。今後、中小企業でも大きな仕事に携わることのできる企業が増えれば就職者も増えるのではないかと思いました。
 2つめは、知識がなくても勉強会があったりして従業員の教育もきちんとしていることです。自分ひとりでするよりも、会社からの支援や応援があってするほうが、自信になるのではないかと思いました。そのほかにも海外へ仕事をしに行って、海外で学んだことや感じたことを伝える場があったりしていい印象を受けました。
 社員の方にインタビューをしている中で、最年少が26歳と聞いて、若手社員の方が少ないと感じました。パートの方は若い方が多かったのですが社員はまだまだだそうです。会社のために次へつなげていきたいとおっしゃっていたので、若手の方が増えてほしいのだと感じました。この若手不足が中小企業の課題だと改めて思いました。中小企業を知ってもらうには企業説明会にもっと参加すると企業を知ってもらう機会が増えるのではないかと思います。そうすることで会社を知ってもらえるので若手が増えるのではないかと思いました。
 このようにまだまだ中小企業には問題はありますが、中小企業ならではの人間関係の良さがインタビューをしていて感じ取れました。私は、こんな関係を築けることのできる企業でなら仕事が辛くても頑張ることができるのではないかと思ったので、私もそんな企業に就職できればと思いました。