大阪府商工労働部との連携事業「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」㉒株式会社ヤマトウを訪問しました(経済学部三木ゼミ2年生)

 2017年10月25日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、門真市にある株式会社ヤマトウを訪問し、取締役の徳島直寛さんにお話をうかがいました。
 株式会社ヤマトウは昭和62年(1987年)創業、エンジニアプラスチック素材を中心とした
高機能樹脂素材を利用し、多分野に渡りプラスチック加工製品を供給しています。主要な取引業界は 食品・半導体・アミューズメント・機械など多岐にわたり、各分野で同社のエンプラ部品は活躍しています。設備投資にも積極的で、平成28年11月には大阪府門真市内に新工場を建設しました。また平成28年(2016年)には大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生は今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。

(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業振興機構、地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所で構成

 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部2年生 岡嵜 維也 さん

 今回株式会社ヤマトウを訪問し、とても働きがいある企業だと感じました。
 事業としては樹脂加工をメインにしていて、実際に見せていただいたのはソフトクリームの機械の抽出部のパーツでした。関西圏にある樹脂加工業界の中小企業には5台しかない機械があるとおっしゃっていました。これを聞いてなぜ中小企業にそんな素晴らしい機械があるのかとても疑問に思いましたが、それほど実力がある企業なのだろうと思いました。他にも3Ⅾプリンターもおいてあり施設の充実さなら今まで訪問したどの中小企業よりもずば抜けていると感じました。ほかにもヤマトウさんでは工場マネジメントにNazca NeoというITシステムを利用していました。大型のディスプレイで現場を把握できるためわざわざ工場に行く手間を省けるため、まるで大手企業のように感じました。
 またヤマトウさんでは若手の育成にも力を入れていました。これから働く身としては若手をきちんと面倒を見てくれるのはうれしいことだし、会社のために頑張ろうという気持ちが出て仕事に対するモチベーションがあがるのでいいことだと感じました。実際に一発で国家資格の1級技能士の資格を取得した方がおられました。この1級技能師の資格には7年のキャリアが必要で取得が難しいとおっしゃっていました。ですが、その資格に受かるのは会社の支援が厚いからだと私は考えます。個人の取り組みに対し支援が厚いのは今までの企業では聞かなかった話なので素晴らしいことだと感じました。またCAD・CAMの講座も受けたければ受けさせてくれると言っていたので社員の声をきちんと聞いてくれるいい企業だと思いました。
 今回の訪問で就職するならこのような企業に就職したいと思いました。最新の技術にも対応でき、さらに若手の育成もできる企業はなかなかないと思います。これまで仕事は何やっても大変だから面倒見がいいとか声をちゃんと聴いてくれるとかそのような部分には無関心に近かったです。ですが今回の訪問で実は会社の体制がきちんとしてれば大変さの中に楽しさを見つけられのではないかと思いました。これかはそのような部分にも興味関心を持っていきたいです。

経済学部2年生 宮本 竜治 さん

 今回私たちは株式会社ヤマトウを訪問させていただきました。株式会社ヤマトウさんはソフトクリームを作る機械のソフトクリームが出る部分が売上の約3割を占めています。あとは製品を作るための機械に必要な部品や、ドイツの地下鉄の配管部分に一部樹脂加工された部品が使われていて海外との取引もある会社です。
 会社に着いて一番初めに他の企業と違うなと思ったところは、若手社員さんたちが外で私たちを出迎えてくれたことです。当たり前のようですが今までになかったのでとても印象が良いなと感じました。入り口前には高級車が一台止まっていて、社長か取締役の車だと考えそこから給料など予想する楽しみもありました。
 会社説明会では前回訪問した企業さんと同様に、資料だけでは私たち学生には少しわかりにくい部分もありました。そこでサンプル品を見せてくださり、どういうものを作っているのか、そしてどのくらい高度な技術で作られているのかを分かりやすく伝えようとしてくださいました。また、私たちの意見も取り入れようと、お互いの質問なども交えながら会社説明をしてくれました。企業側が一方的に話すのではなく私たちも参加しながらだったので、わからないことがあるまま進めるのではなく学生の立場になって進行してくださっているのだなと感じました。
 工場見学では、とにかく綺麗! というのが印象的です。中小企業は狭くうす暗いところで作業しているイメージがあったので驚きました。マシニングセンターや複合機などの機械が中小企業の中では多く50台程あることが強みです。今まで見学中は大体社員さん一人で案内されていたので正直後ろの方は説明の声があまり聞こえませんでした。でもヤマトウさんでは前、真ん中、後ろと3人ついてくれていたのでその場でわからないことがあれば説明してくださり、質問しやすい状況の中で案内していただきました。若手社員さんとの交流でも質問したことに対してしっかり本音で答えてくれましたし、給料も悪くない(良い)し、社員間の人間関係も悪くない(良い)とおっしゃっていました。

経済学部2年生 杉本 佑介 さん

 10月25日に株式会社ヤマトウに企業訪問に行きました。株式会社ヤマトウは京阪の古川橋駅から徒歩で15分くらいのところにあり、建物の外観はとても綺麗で、最近建てたばかりなのかなという印象を受けました。中は想像以上に狭く三階部分が事務所で二階と一階が工場になっていました。そして株式会社ヤマトウがどのような物を作っているのかの説明を聞きました。
 株式会社ヤマトウは主にプラスチックの成型・加工をしており、ソフトクリームを出す部分や、100円均一などで売っているプラスチックのトレーなどを作っていることがわかりました。私もサンマルクカフェやミニストップでよく見るのでとても親近感が湧きました。工場は今回訪問した本社工場と門真南工場があることが分かりました。またこの会社の強みは会社の規模に対しての機械の台数と仰っていました。従業員数が約50名なのに対し、工作機械が55台程あり、これはこの業界においては大変多いそうです。後、長尺外径加工が2メートルの長さまで出来ることが強みだと仰っていました。企業説明が終わった後は工場見学をし、質問をしました。
 最初はこの仕事についてやりがいを感じることはありますかと尋ねたところ、直接お客様から製品がよかったよと言われたときや、1から図面を作りその製品を完成させた時にやりがいを感じると話していました。また給料について聞いたところ、入社二年半で年収450万前後とのことで多い方なのかなと感じました。この後話を進めていく内に、対応してくださった若手社員のお1人は、19歳でこの会社に入り、取得するのが難しい1級技能士の試験を一発合格し、会社で唯一この資格を取得していると知り大変驚きました。そして時間がきて最後に入社20年目の徳島取締役に年収を聞いたところ、玄関先に止まっていた高級車が徳島さんのもので、中小企業でも地道に努力したら高い給料をもらえる可能性があると知り、とても驚きました。
 今回の企業訪問は、最初入った時は笑顔があまり無く話しづらいなと思いましたが、いざ話してみると、想像していたより話せて良かったなと思いました。また会社の強みもありましたが、もっと唯一無二の技術を持てたら、もっと伸びる企業だなと思いました。

ご参考