「リサイクル業の就職先としての魅力をどのように発信するか」④ 安田産業グループの「京都有機質資源㈱」と「㈱大剛伏見工場」を訪問しました(経済学部三木ゼミ3年生)

 2017年10月25日(水)、経済学部の三木ゼミ3年生は、安田産業グループの「京都有機質資源(株)」(京都府長岡京市)、及び「(株)大剛伏見工場」(京都市伏見区)を訪問し、お話をうかがいました。
 安田産業グループは、廃棄物を再び資源として還元していく「循環型社会」、さらに地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量を抑える「低炭素社会」、自然ととも歩んでいく「自然共生社会」の構築に向けた取り組みを続けています。
以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部3年生 武村 勇汰 さん

 今回私たち三木ゼミ生は安田産業グループを訪問しました。京都市のゴミや産業廃棄物を主にリサイクルされている会社です。
 リサイクル業の会社に行くのはこれが3社目で始めの印象として綺麗にされているなと印象を持ちました。会社案内の後に工場見学へ向かい、説明を受けると、私達が普段食べているコンビニ弁当の廃棄物などをリサイクルして飼料に活かす工夫などされています。私の中でコンビニ弁当から飼料に変わった所が印象的で一日に80トンもの飼料が出来ている事に驚きました。
 私は京都市内で年々外国人観光客が多くなっていくにつれゴミは多くなっていく一方だと勝手に思っていましたが、2000年に京都市で定められた環境目標で2020年までに半分以下にすると決めていた事が2010年代に目標を達成し、それに伴いごみ焼却施設を一つ減らしコスト削減を実行出来た事などリサイクル業を通してここまで変わるのだと初めて知りました。
 また、リサイクル業以外の事業も安田産業では取り組んでいて、水耕栽培を取り組んでおり、レタスなど栽培されています。背景として東日本大震災を受け、従来通りの栽培では自然災害などが起きた際対応しきれない、安定的な供給も出来ないので事業を行ったとおっしゃっていました。価格もレタスで20〜30円しか変わらず、もう少し高いと思っていましたが、意外とリーズナブルで学校の給食や近くのスーパーなどにも提供しています。田舎育ちで土からしか栽培した物しか見た事が無かったので、テレビでしか見た事が無かった水耕栽培を見学し、水と照明だけで育つのかと新鮮でしたし、これにより人の手をほぼ掛けずに安定供給できると考えると凄い時代になったと感じました。
 リサイクル産業はAI化も進んでおり、東京都内で飲料自販機の横にあるゴミ箱にセンサーを入れ満杯になると自動で回収センターに連絡することも始まっており、これから先余分な人もいらなくなると考えると人手不足も解消されるのではないかと感じました。この先のリサイクル産業でもAI化や外国人労働力の参入により人手不足も改善されるのではないかと今回訪問して感じました。小学生の社会見学で工場見学など行う事でエコに対する意識付けを行いリサイクル業のイメージアップに繋がる取り組みも行っていましたし、私自身もリサイクル業に対してのイメージが変わった訪問でした。安田産業の皆さまありがとうございました。

経済学部3年生 佐野 宏太 さん

 2017年10月25日に、私たち三木ゼミは京都府に本社や工場を構える「安田産業グループ」を訪問しました。
 ビデオで会社について見た後、食品廃棄物リサイクル施設では国内最大級である「エコの森京都」を見学しました。ここでは、コンビニエンスストア・ホテル・飲食店・小学校からでる食品廃棄物を飼料化しニワトリの餌にしたり、有機性汚泥の堆肥化を行っています。また、含油率の高いものやコンポスト処理が困難なものまで、様々な食品廃棄物を油温減圧乾燥方式により再資源化しています。実際に、ゴミ袋を破き中身を分ける工程から、飼料化・堆肥化され製品となったリサイクルの一連の流れを見ることができました。ゴミから圧搾・除去された油は捨てずに、熱処理を行う際の燃料として再利用しています。
 次に見学した伏見工場は、空き缶・ペットボトル・空き瓶の選別と一般古紙・難処理古紙の再資源化や野菜の室内水耕栽培を行う施設です。各飲料容器はそれぞれ圧縮された後、別工場にて空き缶はペレットに、ペットボトルは生活雑貨に再商品化され、色別に分別された空き瓶は路盤材等に再利用されています。アルバイトの時に空き瓶の色を分けて捨てることに疑問を抱いていてのですが、瓶の色ごとに再利用する際の使い道が変わってくるらしいです。茶色の瓶はリユースでき、緑色の瓶は道路の路盤材に使われ、透明の瓶はガラスとして生まれ変わると知ることができました。
 そして、私が最も驚いたことは室内水耕栽培施設です。施設自体見るのが初めてでした。室内水耕栽培の主な利点は安定的に野菜を供給できる点です。台風などの自然災害の被害を受けることはなく、動物に食い荒らされる心配もありません。また、農薬などを一切使わないため、安全で何より美味しい野菜を作ることが可能です。しかし、この栽培で育てる野菜は非常に繊細なため、酸素と二酸化炭素と窒素の割合など、室内の空気の調整が重要だとおっしゃっていました。これから先はこのような革新的な栽培方法で野菜を作ることが、当たり前の世の中になると感じました。
 リサイクル会社や産業廃棄物を取り扱う会社は、実際に会社に訪問し働いているスタッフの声を聞くことで、会社やスタッフの熱い思いや、環境に対する取り組みなど、目には見えにくいことを知ることができます。労働環境面やAIの導入など、まだまだすべきことが多い分、伸びしろのある業界だと感じました。

経済学部3年生 荒木 凜太郎 さん

 10月25日、私たち三木ゼミ3回生は、「リサイクル業の就職先としての魅力をどのように発信するか」というテーマで、安田産業グループを訪れました。
 安田産業グループは、環境に配慮した廃棄物処理ラインで、安心・安全なリサイクルを展開しています。安田産業グループは、①トータル・リサイクル・コンセプト、②低炭素社会への取り組み、③コスト意識の徹底、④ライフサイクル・アセスメント、⑤優良事業者への取り組み、といった5つの行動指針を軸に取り組んでいます。
 実際、工場見学をさせていただいて、最も印象的だったのが、食品廃棄物資源化システムです。京都市内のコンビニ、レストランから集められた、食品廃棄物を飼料・肥料へ、リサイクルしていました。有機汚泥を肥料へと再生する国内最大級の食品廃棄物リサイクルラインで、これは、食品リサイクル法に対応する京都有機質資源株式会社のプラント「エコの森京都」に設置されています。天ぷらを揚げる原理を利用した油温減圧乾燥方式により、原料が持つ有効成分を変性・劣化させずに水分を分離し、再生された製品はエコフィード飼料として、大手飼料メーカーなどで利用されています。
 また、一日に数十トンの量がリサイクルされて、それが動物の餌となり、その餌を食べている動物を私たちが、食べていると思うと、うまく循環されていて、おもしろいと感じた。食べ残しなど、ごみと思わず、分別しようと思いました。
 一番印象に残っているのが、業種改革で取り組んでいる、水耕栽培事業です。フリルレタスなどの栽培をしており、一年間で二十四毛作が可能で、また、農薬を使わず、平均で同じサイクルで安定した商品を生み出すことができるそうです。私は、水耕栽培されている光景をみて、近未来こんな光景が当たり前になるのかなと、想像したら非常にわくわくしました。
 今回の訪問で、リサイクル事業はもっと必要になる事業と再認識し、また環境に対して、自分ができることは何だろうと考えるきっかけになりました。

ご参考