大阪府商工労働部との連携事業「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」㉑ 森田ライト工業株式会社を訪問しました(経済学部三木ゼミ2年生)

 2017年10月18日(水)、経済学部の三木ゼミ2年生は、守口市にある森田ライト工業株式会社を訪問し、代表取締役社長の森田 洋さん、顧問の渡部恒夫さんにお話をうかがいました。
 森田ライト工業株式会社は昭和22年(1947年)5月創業、本年で70年の歴史がある射出成形プラスチック製品を軸に事業展開する企業です。平成28年(2016年)には大阪中小企業顕彰事業実行委員会(注1)が実施する「大阪ものづくり優良企業賞」を受賞、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生は今年度も昨年度に引き続き、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。今回はその活動の一環として訪問しました。

(注1) 大阪中小企業顕彰事業実行委員会:
大阪府、大阪府商工会議所連合会、大阪府商工会連合会、公益財団法人大阪産業振興機構、地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所で構成


 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部2年生 渡邉 果穂 さん

 私たち三木ゼミ生は10月18日に大阪府守口市にある森田ライト工業株式会社を訪問しました。この企業はリモコンや髭剃りなどのプラスチックを作っている会社です。工場内を見学させてもらったとき今までの企業より小さい工場と感じました。しかし、先端設備なので不具合が出たときに資格を持った社員が直すといった工程だったので、小さくても数多く納品できるのかなと思いました。また、会社の従業員数の社員数とパート・派遣数が半々なことに驚きました。それはどちらかに偏りがあると思っていたからです。しかし、パートや派遣の人に助けてもらっているのは企業にとって複雑なのかなと思いました。なぜなら、パートや派遣がいないと人手不足になってしまうと思ったからです。
 今回の企業の印象はいつもとは大きく違いました。理由は、社長さんが私たちに積極的に質問をしていたことです。質問をしていた理由は、会社をもっと若者に知ってもらうにはどうしたらいいのか考えた結果、若者に直接聞いて自ら改善したらいいと考えたからだそうです。今回私たちが学生グループとして初めての企業訪問者だったそうです。社長さんの話をうかがっていると、中小企業が抱えている若い従業員が少ないため技術を受け継ぐ後継者が少ないという問題が見られました。そのため学生の視点で何が良い点で何が悪い点かを明確にして改善したいとおっしゃっていて、私たちが実際に感じたことを伝えるとメモをして改善しようとしていました。私は社長さんの会社の改善に対する姿勢を見て本気で会社のことを考えていると思ったし、今までの企業にはない熱意を感じた企業だったので就職先が見つからない学生や転職しようと考えている人に知ってもらいたい企業だと思いました。
 若手社員の方にインタビューをしているとき、危険を伴う仕事でもあるとおっしゃっていて怪我もしたことがあると聞きました。しかし、その時の話をしている姿は怪我をしたにもかかわらず、何か誇らしげに見えました。壁にぶち当たってそれを乗り越えたとき、とても気持ちが良いと聞いて、やりがいがきちんと見出せる良い会社だと思いました。
 今回、インタビューを受けてくれた若手社員の回答一つ一つには、結構私自身に刺さるものがあり、将来のことを見直す、いいきっかけになったと思います。自分が好きなことだけをするんではなく、新たに何か挑戦する意識が大切と教えてくれました。私も何か挑戦してやりがいを見出すことができる仕事に就きたいと思いました。

経済学部2年生 藤田 健司 さん

 先日私は、森田ライト工業というプラスチックを加工している中小企業に見学しました。会社の見た目は、一見普通の建物であり中に入った時も今まで見学してきた中小企業と同じ感じでした。そして会社説明会は森田ライト工業の社長自ら説明されました。私は社長以外の人が会社説明をすると思っていました。
 社長自らの説明会は説得力が人一倍ありました。社長がおっしゃるには、会社を成長させるため、人材は新しい物を開発、研究できる人が欲しいと言っていました。私はてっきり、頭を使わず手だけを使う労働者、そういった人を求めていると思っていました。このことから、森田ライト工業が今のままでなく、会社の成長のため日々考えられていると分かりました。
 説明会が終わり、工場を見学させていただきました。工場内は整理整頓されており、主に機械がプラスチックの加工をしていました。取引先の会社を伺うと多くの有名企業があり、「それだけ取引先があるのなら会社も安泰」と思いました。そして、機械を見ているうちに思ったことは、「この作業も元々人が行っていたのに、今ではコスト削減のため機械が人と替わって作業をし、ますます単純な作業を機械がやるのだな」と思いました。
 最後に若手社員のインタビューの時、一番印象に残っているのは「若いうちは色々経験しないと勿体ない。年を取れば取るほど自分の将来の道を狭める」との言葉です。実際その若手社員はスニーカーがとても好きらしくスニーカーに携わる仕事をしたかったらしくて、しかしそれも叶わず今では家が近かったため今の会社に入社したそうです。しかし先輩や仕事仲間に恵まれいまでは森田ライト工業の仕事をとても大切にしているそうです。私がこの話で、人が誰しもなりたい職業になれないけど、だからと言って他の職業や会社をマイナスに見るのはいけないと思いました。

経済学部2年生 眞壁 成夢 さん

 森田ライト工業は、取引先である大手電機メーカーの仕事で、熱硬化性のベークライトの成形を行ったことをきっかけに設立された会社です。創業70年の歴史があり、射出成形プラスチック製品を軸に事業展開をしています。
 森田ライト工業へ行き、今までの企業訪問には無い光景を目にしました。それは、社長が私たちの意見を真面目にメモしていたことです。これまでの企業訪問で私たちの意見をメモしている人を初めて見ました。若い世代の考えを真剣に聞く、社長の人柄に付いて行きたいと思いました。これまでも入社してみたいと思えた企業はありましたが、この人の下で働きたいと感じたのは初めてです。この違いは、私の中でとても大きなことだと感じました。会社ではなく、社長の為に仕事をするという考え方も面白いと思いました。結果的に、会社の為に働いている事にはなりますが、周囲の人と仕事に対するモチベーションが違うので、転職や退職などを考える事も無いと思います。私が社長の話を聞いて面白そうだと思ったのは、製造管理者という役職でした。会社内の製造ラインを把握して取引先に製品を持って行くように指示をして、ある時は自ら動いて営業に行くなど、やりがいのある仕事だと感じました。会社的には技術者が欲しいという事を聞きましたが、工場内で何年も働くことなどしたくはないので、管理者になりたいと思います。数年工場内で働けば、製造管理者になれるということなので、その間は我慢するしかないと思いました。
 今回の企業訪問を経て、仕事を楽しくないと言っている方々は、何の目的も無く働いているのだと改めて感じました。なぜその会社で働きたいのかを考えてから、就職するべきだと思います。自ら仕事が楽しくなるように働きかけもせずに、文句だけを言うような事だけはしたくないと思いました。社長の為に仕事をしてみたいという気持ちも、普通に就職していては感じることは無いはずなので、企業訪問で森田ライト工業に行くことが出来て良かったです。

ご参考