2017年度海外インターンシップ ベトナムクラス参加学生の感想・気付き②

 2017年度海外インターンシップ ベトナムクラスの参加学生の感想・気付きを紹介します。今回はその第2回となります。

国際コミュニケーション学部3年 中本 綾香 さん

 今回、私は4週間のベトナムインターンシップに参加しました。私がインターンに参加した志望動機は春に英語圏への短期留学を経験し、「海外で働く」ということに興味を持ったからです。語学留学はどちらかと言えば受身の姿勢で学ぶことが多く、自分で考えて、行動し、学ぶということを海外で経験したいと考えるようになりました。ベトナムは近年、経済成長しており、日本では学べない何かを学べるのではないかという期待を持ちつつ臨んだインターンでした。
 今回、配属されたインターンシップ先は「JAC Recruitment Vietnam」という人材紹介会社で、私が行った業務は主にベトナムで働く日本人に取材をするという業務でした。この業務は、取材対象となるベトナムで働く日本人の方にアポイントを取り、取材交渉、取材、記事作成を行いました。この業務を行う際に苦労したことが、ビジネスメールの書き方や名刺交換、挨拶などの基本的なビジネスマナーについてでした。ベトナムに渡航する前にビジネスマナーはある程度身についていると思っていましたが、実際の社会に出て臨機応変な対応を求められる中でなかなか思うようにうまく行かず、自信をなくしてしまうこともありました。また、取材させて頂く方に自分が質問したいことは沢山あっても、逆に私が「なぜ、ベトナムに来たのか」「ベトナムで何を学びたいのか」と質問された時に自分の中で考えがまとまっていないこともあり、うまく回答が出来ず、こちらが用意した質問に淡々と答えて頂く、一問一答のようなインタビューになってしまう事もありました。そこで私が取った改善策はまず、自分がどのような考え、人生についての軸を持っているのか、なぜ、ベトナムでインターンを行っているのかなど自分について改めて考え直してみることでした。すると、相手方にする質問もより深いものになり、自分の考えがまとまって話せるようになったことによって相手の信頼も得やすくなったと感じました。インタビューは計7名の方にさせて頂き、どの方も経歴やこれからの人生への指針がとても興味深い方ばかりで、インタビュー回数を重ねる程、自分の将来への視野が広がっていきました。就職活動前の今のタイミングで沢山の方にお話を伺えたことはこれからの生き方において良い方向に自分を変えるきっかけになったと考えます。インタビューをさせていただく際に気をつけていたのは、相手方が話しやすいと感じて頂ける雰囲気作りで、相槌や途中で話を短くまとめて繰り返すことを意識して取り組んでいました。インタビュー内容をまとめて、記事にしていく段階では録音したインタビュー内容を聞きながら、次回への反省や改善点も考えながら文字起こしをしていました。話し言葉と書き言葉の違いや相手に読んでもらうということを意識しながら文章を作ることがなかなかうまく行かず、難しかったですが、インターン先の先輩に指導していただきながら、少しずつ上達していきました。
 また、JAC Recruitment Vietnamの社長の加藤さんと会社の商談に同行させて頂く機会もあり、加藤さんがお客様と話す際に気をつけていることや相手のニーズを素早く察知する姿を見させて頂いて、就職してからの自分の目標や努力すべきことが少し分かった気がしました。今までは就職活動をして、就職することがゴールだと思っていましたが、本当に大切なことは社会人としてどういう姿になりたいかを実現していくことであると考えました。沢山の社会人の方とお会いする中で、客観的に見た自分の強みや弱みを見つけることが出来たり、日本や世界の経済動向についても興味を持つことが出来たりしました。日本で学生として生活していると、なかなか考えたり、触れたりする機会がなかったことをより自分の身近な物に出来たことによって、自分の考え方、価値観が大きく変わりました。また、初めての土地で生活し、インターンシップを行うということで環境適応能力や自分の意思を伝えるといった力をつけ、海外で働きたいという自分の最終的な目標に一歩近づけたと感じます。この一ヶ月間、うまく行かず悔しいことや反省したことも多かったですが、それによって得たことは何にも変えがたい経験となり、これからの私の人生に大きな影響を与えると思います。ベトナムインターンシップを支えてくださった加藤さんや社員の方々、三木先生にとても感謝しています。私がベトナムでお会いした方々のように誰かに刺激を与えられるような社会人となってまたお会いしたいです。

経済学部3年 飯尾 梨紗 さん

 今回の夏季ベトナムインターンシップ参加を希望した理由はゼミの先生がたまたまこのベトナムインターンシップ授業の担当先生であり、普段からこのインターンシップの内容を知る機会が多く、日ごろからとても興味を持っていました。1か月間のインターンシップを、海外で経験できるチャンスはこの先ないだろうと思いが一番強かったと思います。
 私の研修先は企業という枠組みの中で働くのではなく、個人の人の下で仕事をご一緒させてもらうという一風変わった研修先でした。というのも私は元々教育に関し興味があり、アジアビジネスパッケージということもありアジアの教育体制を知りたいという思いがありました。またゼミ活動でも<理想の外国語教育について>という課題を持っているため、日本語教育の先生をしている矢野周平先生の下でお世話になり、ゼミ活動にも協力していただきました。
 ベトナムでは日系企業の給料はベトナム企業の給料より多く2倍近く変わってくるらしく、現在ベトナムでの日系企業の進出が増えていることもあり、日本語を学習する人が増えています。そのため日本語専門学校や日本語を第一外国語に採用する学校も増えています。さらに日本に派遣する人材を育てるための日本語教育センターという機関もあります。
 活動内容としてはこういった学校の授業に参加させてもらい日本とベトナムでの教育制度の違いを学び、実際にも教壇に立ち日本語を教えました。学生は日本語を勉強しているとはいえ、まだまだしっかりとした意思疎通がとれないことや、もちろん私はベトナム語は話せないので、日本語で日本語を教えるということはなかなか難しく、簡単な文法で分かりやすく説明するのにとても苦戦しました。また日本語を勉強している人の多くは、将来日本企業に就職するためという人が多く、日本企業で働くということは少なからず日本人と関わることになります。そうすると日本の文化や習慣、日本人の性格、敬語などの日本独特の言葉遣いといった日本語以外についても勉強しないと本当の意味で日本人とコミュニケーションをとることは難しく、そういうことも教えていかないといくら教科書どおりの文法ができても会話ができないことを知りました。これは外国語すべてに共通し、自国では当たり前のことは他国では全く当たり前でなく、時と場合で同じ言葉でも意味が変わってくるものだと思います。矢野先生の知り合いの先生方の授業にも参加させていただき様々な学校を訪問させていただきました。先生によって教え方の観点が違い「授業が面白くして日本語を勉強するきっかけをつくる」ための授業や「どんなに日本語が好きでも壁にぶち当たる時が来る」という考えからわざと早いうちに壁をつくるような授業をしていたりと授業の仕方が様々でとても刺激をうけました。
 ベトナムの学校制度で驚いたことは、9月から新学期、大学や専門学校でも制服があったり、朝の6時台から授業があったり、またこれは国民性ともいうべきなのか全体的に適当で学生または先生の遅刻は当たり前、学生と先生との時間割の連携がしっかりとれておらず、当日になり時間割変更で授業がなくなったりと日本では問題になりそうなことが多々ありました。
 授業のほかにもテレビ撮影でのベトナム人の日本語の発音をチェックするという貴重な経験もさせていただきました。発音を正すのは根気が必要でずっと同じことを言っていると自分でも合っているか怪しくなることもありましたが、最後は正しい発音を教えることができたことは自信につながりました。
 今回のインターンシップを通じて感じたことは自国の文化、相手の文化を知ることで相手と自然にコミュニケーションをとることができ、そのためにはまず自国についてもっと勉強する必要があると気づきました。これは将来外国の仕事につかなくても、相手の育った環境をよく理解してコミュニケーションとっていくという当たり前だけど難しいこと、だというのを学びました。 このインターンシップを受けたおかげで、自分ができることとできないことが見えて今後の課題を作ることができ、とてもいい経験だったと思います。

<参考>