「使える英語への入り口コース」を特別開講しています(経済学部三木ゼミ3年生)

 2017年5月より、経済学部の三木ゼミ3年生では「使える英語への入り口コース」という特別講義を実施しています。
 2017年度の三木ゼミ3年生は「グローバル人材輩出のための、外国語教育に関する考察と提言」をテーマの1つとして活動しています。これは「理想の外国語教育とはどうあるべきか」を検討し、最終的には国内外(日本人・外国人)を問わずグローバル人材を日本の産業界に供給することを目的としますが、その前段階として「少なくとも中学高校6年間英語を勉強してきた私達がなぜ英語を十分に話せない(使えない)のか?」という検討を行いました。この理由を探るため、英語教育の専門家、国語(日本語)教育の専門家、短期間で日本語を習得した外国人留学生にヒアリングを実施し「中学高校の聴解教育に問題があるのではないか」という仮説を立てました。それを実証するために「発音」に絞ったオンライン英語講座「使える英語への入り口コース」を概ね週1回のペースで実施、加えて中学レベルの文法と語彙(単語)を、全員共通の教科書を決めて自習してもらうこととし、自分たちを実験台に「聴解」を改善することでどの程度の効果があるのかを、実施前後のTOEICスコアで比較することとなりました。
 今回の「使える英語への入り口コース」は「リンガ・エスプレッソ」(Lingua Espresso)オンライン英語学校の代表である河田恭郎さんの全面的なご協力をいただいています。河田さんは工学博士で、言語学の専門家ではありませんが、日本において、ECCを含む大手英会話学校三校で英会話講師として教えていた他(ECCでは一般英会話以外に、スチュワーデス準備科も担当)、某国立高等教育機関での勤務経験、アメリカの大学での客員経験、さらには、カナダにおいて掃除機の押し売りや電話でのセールスの経験もあるというユニークな経歴の持ち主です。言語学がご専門ではないという点を逆手に取って、従来の英語教育では説明されることの少なかった内容にも踏み込んで指導していただくようにしています。
 なお、今回の特別講義では、理想の外国語教育を追求していく中で「聴解を改善することで日本人学生の英語力がどの程度伸びるか」を試験的に実施していますが、この内容は今年度の成果次第で来年度以降別の学年で本テーマとして取り上げる可能性があります。また「聴解」の重要性が認められた場合は、国内外の外国人向け日本語学校で「聴解」に重点を置いた特別コースを開講していただく予定です。

ご参考