2017.2.10

大阪府商工労働部との連携事業「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」⑫ 株式会社ナカキンを訪問しました(経済学部三木ゼミ2年生)

大阪府商工労働部との連携事業「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」⑫
株式会社ナカキンを訪問しました(経済学部三木ゼミ2年生)

 2017年1月10日(火)、経済学部の三木ゼミ2年生は、枚方市にある株式会社ナカキン春日工場を訪問し、軽合金事業部 製造部技術部部長・執行役員の植杉浩さん、管理部管理課長の屋邊利治さんにお話をうかがいました。
 株式会社ナカキンは昭和25年(1950年)創業の、ロータリーポンプの製造販売及びアルミ鋳物のメーカーです。軽合金・産業精機・金型の3事業部で構成され、「鋳造技術」をベースに自動車エンジン用部品を中心として開発・設計から生産までの一貫生産を行っています。光造形法による「ラピッドプロトタイピングシステム」を採用することで試作品製作日数を大幅に短縮しています。また、食品・医薬品・ファインケミカル用ロータリーポンプ・充填機などが広い分野で使われています。平成19年(2007年)に、近畿経済産業局が実施する「躍進するKANSAIモノ作り元気企業」に選出されるなど、大阪を代表するものづくり企業です。
 経済学部三木ゼミは、グローバル人材を育成する「グローバルキャリアプロジェクトゼミ」であると同時に、民間企業出身の教員が指導するという特色を活かし、企業/行政/地域との接点をできるだけ多く持つようにしています。三木ゼミ2年生は今年度、大阪府商工労働部の連携協定に基づく事業の1つとして「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消」という課題に取組んでいます。
 以下に今回の訪問見学で得られた、学生たちの気付き(一部)を紹介します。

経済学部2年生 飯尾 梨紗 さん

 1月10日私たちは株式会社ナカキンに企業訪問しました。この会社では、食品・飲料品・医薬品・化粧品などの製造工程で使用する、中小企業では珍しい自社ブランドの液体移動送用ロータリーポンプを開発・製造販売しています。国内シェアは6割で過半数を占めます。また、自動車エンジンの主要部品メーカーとして開発、設計から金型制作、鋳造、加工、組立まで一貫生産をしています。国内の大手自動車メーカー全社と取引をしており、技術力だけでなく、信頼度も高いことが窺えました。
 説明会はとても熱心にしていただき、本当の就活生になった気分でした。中でも驚いたのが、実際の説明会では工場見学に長い時間を使っているらしく、いつもだったら工場を2つ見学するはずだったけど時間がないので1つしか見せてあげられないのが悔しいとおっしゃっていたことです。私達が見学させていただいた工場は主に自動車エンジンの主要部品を作っているところでした。そこでは溶解炉があり、企業訪問先で初めて火を見た工場でとても印象に残っています。工場自体とても広く、一通り見学して思ったのは、中小企業の工場とは思えないなという感想で、今まで見てきた工場とは何か違うと感じました。その何かが何なのかはわからないのですが、工場を見学してさらにこの会社への魅力が高まりました。見ることができなかった方の工場ではロータリーポンプを作っているらしくそちらもとても興味があるので、個人的にナカキンさんの会社説明会に参加したいと思いました。
 この会社にさらに魅力を感じたのは若手社員との交流で入社したきっかけを教えていただいた時、皆この会社でしかできない仕事がしたくて入ってきたとおっしゃっており、それぞれしっかりとした目標を持っており、とてもやりがいがあるそうで自社の技術力に誇りを持っていることが伝わってきました。
 私も将来は自社を誇りに思えるような会社に入り、その会社と一緒に自分も成長できるような関係を築いて行きたいと思いました。

経済学部2年生 佐野 宏太 さん

 2017年1月10日に、私たち三木ゼミは枚方市にある「株式会社ナカキン」を訪問しました。
 ナカキンさんには産業精機事業部、軽合金事業部、金型事業部の3つの事業部があります。産業精機事業部はロータリーポンプを主力製品としており、設計・開発・製造・販売・アフターサービスまで一貫した生産体制でお客様のニーズに応えている事業部です。食品ポンプの国内シェアは飲料・食品業界を中心に60%を占めています。お客様に安心してロータリーポンプを使っていてだくために、品質管理においてポンプ1台1台に対して仕様に合わせたテストを実施し、工程の履歴を残すなど徹底した管理体制をとっています。また、修理・点検のサービスも行うほか、主要部品や消耗品部品をスピーディーに供給する体制など、あらゆる面からお客様の生産活動を支援しています。
 現在では、海外に向けたロータリーポンプの市場開拓を推進しているところで、ヨーロッパ諸国をターゲットにしています。ドイツ、スウェーデン、フランスなど7か国に代理店を設けており、飲料・食品メーカーをメインにアプローチを展開しています。また、年に数回は海外の展示会にも出展し、ナカキンの名前が徐々に知られつつあります。このようにグローバル展開にも積極的に力を入れ、さらなる飛躍を目指しています。
 会社説明してくださった総務部の方もとても熱心に丁寧に説明して下さりました。若手社員との懇談会の時も私たちが聞きたい質問がないか、若手社員の方たちどうしで話し合い探して下さっていました。主に理系の大学出身の方が多かったのですが、理系の大学出身ではないが、会社に入ってから教わった方もおられました。
 これまで多くの企業を訪問してきたことで、企業の特徴や強みが自分なりにわかるようになってきました。この経験を就活で活かします。

経済学部2年生 石原 夏帆 さん

 1月10日、私たち三木ゼミ生は株式会社ナカキンを訪問しました。鋳造・加工技術を中心に技術を蓄積し液体を運ぶのに役立つロータリーポンプを開発。粘度の高い液体も搬送できる超衛生的なロータリーポンプを開発し他の会社と差をつけていると感じました。自動車部品も製造し取引先は多い印象です。海外にも事業所があり今後ヨーロッパにも販路拡大を目指しており、目を向けているのは国内だけではなく広く見ていると思いました。
 総務部の方のお話はとても丁寧にしてくれ合間に私たちにわからないところがないか確認を取ってくれたので疑問も聞きやすかったです。ポンプは大きな会社とも取引があれば個人商店とも取引しており幅広いと感じました。ポンプの月産生産量は200台ほどだそうです。欧米の厳しい衛生基準をクリアしているのでヨーロッパ販路拡大は有望だと思います。他にアルミを使った自動車エンジンの主要部品を生産しており工場見学ではたくさんの部品が常に作られていると思いました。熱を必要とする加工もあるので室内は暑いところもありました。よくある工場のイメージ通りの印象でした。
 若手社員との懇親会では、自分の書いた図面が実際に使われて製品になっていくことにやりがいを感じると聞けました。社内一貫生産なので一から製品を見ることができる、お客様に喜ばれるとやってよかったと思える。そう思えるのは良いことだと思います。ものづくりはただ製品を作る」だけ、流れ作業のイメージが強いですがその部署の上の人間になれば製品を作る人に指示を出す、その的確さも必要になってきます。優先度を把握し完成までの時間を逆算して工程を決めていかなければならないのだと思いました。興味がありやりたい職種の人にはやりがいを感じる場面が多々あるのではないかと思いました。

経済学部2年生 森永 弘佳 さん

 先日、2回生最後になる「ものづくり中小企業と大学生の求人求職ミスマッチ解消の取り組み」の企業訪問で、株式会社ナカキンを訪問しました。ナカキンは金型・鋳造技術をベースに、現在は産業精機・軽合金・金型のそれぞれの三事業部を柱として事業の展開を行っている中小企業です。また、国内だけでなく海外にも生産・販売を拠点としておりグローバルなものづくりを目指している中小企業でもあります。
 ナカキンの柱である三事業部は産業精機事業部・軽合金事業部・金型事業部です。事業部が三つに分かれていることでよりお客様のニーズに応えることができ、プロの立場からお客様からの課題を解決することが容易になります。産業精機事業部では、ロータリーポンプを主力としており、食料や食品業界を中心に利用されています。軽合金事業では、自動車用のエンジン部品の試作・量産品の製造をしており、自動車業界で多く使われています。金型事業部の自動車業界が主ですが他の業界でも取り扱われています。
 私たちはこの工場見学だけでなく上記の三事業部を見学させてもらいました。一番印象に残っているのは工場部分のメインだと思う軽合金事業部です。工場に入った瞬間アルミの何とも言えない匂いがしまし。高い温度でドロドロに溶かされたアルミを初めて見ました。とても印象的でした。そのほか事業部や工程部分も見学できましたが、時間が夕方だったために作業が終わっていた箇所もあり少し残念でした。
 私たちはこの一年間を通してたくさんのものづくり中小企業を訪問してきました。最初は中小企業に全く興味がなく、正直印象もあまりよくなかったです。しかし、中小企業の訪問を重ねていき印象がガラリと変わりました。中小企業にも大企業に負けない部分があるということ、多くのものづくり中小企業が日本のものづくりを支えているということなどが分かりました。また、自分自身が今後就職活動をしていくうえでどのようなことを見なければいけないのか、会社を見極める力がこの一年で少しはついたのではないかと思いました。

ご参考