経済学部 経済学科

松村 幸四郎
(マツムラ コウシロウ)

[職名] 准教授
[出身地] 東京都
[出身校]
名古屋経済大学大学院法学研究科博士後期課程企業法学専攻(満期単位取得退学)
[担当科目]
会社法、民法a/b
[研究テーマ]
企業組織法
[主要業績]

  • 「NPO法人による事業活動の継続性確保に向けた取り組みが会社法制に及ぼす影響―とくに事業型NPO法人の活動実態が示唆する株式会社への接近」愛知東邦大学地域創造研究所編『住民参加のまちづくり』(2010年,唯学書房)81−93頁
  • 「役員退職慰労金をめぐる論議の系譜」『産業経理』62巻3号(平成14年)99-112頁

メッセージ

 法律学のなかでも商法(企業法)と呼ばれる分野を専攻しています。杓子定規のような印象の強い法律学ですが、意外や意外、「事実は小説よりも奇なり」を地でいくような事件があったり、企業活動のダイナミックな姿が垣間見えたり、とおもしろさも感じられる分野です。

経済社会における「企業」

 ものすごいスピードで変化を続ける経済社会には、さまざまなプレーヤーがひしめき合っています。阪南大学経済学部ではそうした経済社会を多様な視点から分析する力を養うために、講義・演習科目が数多く用意されています。
 ところで、この経済社会のなかのプレーヤーのなかには、私たちも含まれています。だいたいは消費者として参加していることが多いのですが、こうした消費者の旺盛な消費意欲に応えるべく、たくさんの「企業」がさまざまなサービスを提供することで、経済社会が成り立っていることも見逃せません。一口に「企業」といっても、その規模や形態もさまざまですが、いずれにしても「企業」も経済社会における重要なプレーヤーであるわけです。

「企業」と「会社」

 「企業」は日々、工夫を凝らして経営活動を展開しています。研究開発や営業活動の他にも、どのような企業形態を利用することがプラスになるのか、といった問題にも知恵を絞らなければなりません。まずは企業がどのような形を選ぶのか、というのが起業をする際には最初に思案することであり、現実の経済社会では多くの企業が会社制度を利用しています。その中でも皆さんも耳にすることが多い「株式会社」形態が多くの企業によって採用されています。

なぜ経済学部で「法」を学ぶのか?

 株式会社の利用が多いということは、そこで発生するトラブルも増加します。また普通であれば考えられないような事件も株式会社を舞台に発生したりします。プレーヤー同士での解決が難しい場合も多く、ありがちな問題をあらかじめ法律の形にして規制をすることで、未然にトラブルを防ぐことが可能となる場合もあります。こうした株式会社をとりまく法規制にはさまざまなものがありますが、会社の設立から消滅までに必要とされる手続きやトラブルを回避する手段を組み込んでいるのが「会社法」という法律です。この会社法は会社を縛るばかりではなく、会社制度の利用を促すような制度(株式を発行することによって資金を調達するための仕組みなど)についても定めがあります。
 ところで、阪南大学経済学部には会社法以外にも専任教員によって経済刑法や経済法に関する科目が置かれています(つまり、講義の曜日以外にも質問をすることができる状態にあるということです)。同じ企業を取り巻く法律といってもその性格もさまざまであるので、専門の教員を配置することで学生の皆さんの「なぜ?」に対して真正面から対応できるような態勢を整えているわけです。また、経済政策をどのように実現していくのかを考えると、予算や法律の形にされなければどんなに良い政策であっても「絵に描いた餅」となってしまいます。現実の経済社会で活かせる学びを実現するために、経済学部であっても法律学を担当する専任教員を3名も配置して、教育活動に真剣に取り組んでいるのが阪南大学経済学部の特徴といえます。

「会社法」の講義では・・・

 では、私が担当する会社法の講義はどのようなものなのか。
 会社法は条文数が1,000近くにのぼることから、経済社会で利用の多い株式会社の中でも重要なテーマに絞りながら講義を行っています。また、そのときどきの時事的なテーマを法的な視点から解説することで、学生の皆さんに就職を含む将来のキャリア形成というものを意識してもらうように心がけています。
 会社とは何か、なぜ会社制度が利用されているのかといったそもそもの部分から話を始めます。受講者のなかには公認会計士試験の受験をしている学生さんもいることから、条文がこうなっているという説明だけではなく、敢えてその条文が置かれた歴史的な背景等についてもお話しています。結局はそうした周辺情報がある方が理解が進むことが多いからです。
 また、「重要なテーマ」の多くを学んでいくにあたって、いつの時代にも変わらない人間の姿を垣間見ることも少なくありません。真面目で尊敬に値する経営者も多くいるのと同じように、株式会社に損害を与えながら自分だけが利益を得ようとする経営者もまた存在しているのです。そうした現実を前に、会社法(学)は決して諦めることなく不公平な結果が発生しないような規制の在り方を常に模索しています。そうした法律学が抱える悩みといったものも講義の中でお伝えしながら、学生の皆さんと一緒に正解のない課題をともに研究していきたいと思っています。