過去50年のテレビ番組資料の整備(前年度より継続)と出版化

活動テーマ:過去50年分のテレビ番組資料・データの整備とそれをもとにした出版物の実現
連携先:㈱東京ニュース通信社


 前年度より継続しての活動である。『TVガイド』で知られる、テレビ情報誌出版の最大手である㈱東京ニュース通信社。その地下倉庫に眠る1960年代からのNHK・民放各局の「番組企画書」「番宣用写真」「新聞雑誌の切り抜き」などの放送番組に関する紙資料を本格的に調査・分類し、20世紀におけるテレビ番組の企画・成立過程の「知られざる事実」や「データ化する事で初めて判った事実」を明らかにし、テレビ史研究の一助となる事を目的とする。
 とりわけ、1960年代〜80年代の資料は、放送各局にも残っていないものが多く、また、それぞれの番組にまつわる新聞や雑誌の切り抜きを集めたものは、新聞縮刷版があっても、実際に番組ごとにまとめるのは物理的に不可能である。これらを調査し、当時のメディアや社会から、それぞれの番組がどう評価されていたのか、その名声の移り変わり・実態を考察する。学生にはその質と量のレベルを体感させ、調査力と課題発見力を養わせる。

 昨年度は個々の「番組」ごとのタグ付け、入力作業であったが、今年度は「人名」に基づく資料の分類を引き続き行う。大野とゼミナール学生、アルバイト、東京ニュース通信社のボランティア有志などで、データ分析とインタビューを調査の柱にしてゆく。

 これらをまとめた成果として、単行本化を目論む。

学生活動状況報告

 前の年から引き続いて、ひたすらデータ入力・入力・入力…しかし、これらの膨大な資料も整理分類することで、一つの傾向が見えてきます。何十年にもわたる資料を、現代の僕らの視点で見ることは、タイムマシンで過去と今を行ったり来たりする様なものです。

 今年の最大の目標は、我々が整理分類したものを元に、インタビューを加えて、単行本にすることです。何人ものテレビ番組制作者に、大野先生がインタビューする際も、私たちの作った資料を手元に置いて面談すると、誰もが「よくそんな昔のことを調べましたね」「自分でもすっかり忘れていたので、言われないと気づかなかったですよ」等とリアクションするそうです。普段の作業が取材に役立っているかと思うと、
本を作り上げるのに我々も参加しているという気になります。

 2018年の春には、何らかの形で本が出版されることも決まりました。内容は「二時間ドラマの40年をふり返る」以外にも、二時間ドラマを初めて本格的にドキュメントした本だそうです。どんな仕上がりになるか、今から楽しみです。

国際コミュニケーション 4年生 落合 誠

参加学生一覧

井口 亮太、伊藤 侑加、井戸木 愛、井福 美樹、大迫 葵、落合 誠、菅原 琴子、高島 知花、田中 莉奈、難波 利紗、西側 愛華、西澤 佑実子、廣田 千尋、村上 瑞季、森田 幸々路、山岡 梨紗子、米津 拓也