【留学レポート】アデレード・南十字星の光をたよりに(8)

神尾ゼミ3回生の平石加奈です。日本では5月といえば初夏。桜から藤の花房の季節となりました。こちら、オーストラリアは秋です。この時期、気温が30度からいきなり次の日になると20度以下になるなど、温度の乱高下が激しい状況です。そのため風邪をひいている人も多くなってきました。しかし、授業を1回休むと次の授業の内容がわからなくなるので1日でも休めませんし、私自身の気持ちとしても休みたくない、というのが本音です。そのためには、基本である体調管理にはくれぐれも気をつけないといけないですね。
さて、今回のレポートです。

初めてのイースター、ということで平石加奈考えました

 2017年の4月14日?17日は、イースターホリデーでした。「またホリデーか!」との突っ込み、どうぞなさってください。そう。またホリデーです。実際のところ、私自身もあまりのホリデーの多さに「?」と思いマザーに「こんなにホリデーって必要なの?」と聞いてみると、マザーもオーストラリアはホリデーが多すぎると言っていました。
 さて。イースターはキリスト教徒にとっては救世主・キリストの復活を祝う重要な祝日です。私たち日本人は、無宗教といわれる現状。それについては、明治維新以降の150年の日本の宗教史を俯瞰してみないといけませんので、この課題は少し横において措きます。
 オーストラリアでは人口の約61%がキリスト教徒となります。彼らにとって、イースター、つまり復活祭は、信仰の基盤となっています。以前、ゼミの始まる前のわずかな時間の雑談で、私のBOSSである神尾先生は、「クリスチャンになるとは、キリストさんの復活を信じられるか否か、かな」と言っていたのが記憶によみがえります。
 レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」にも描かれたイエスの弟子たち。そのひとりイスカリオテのユダの裏切りにあい、「ユダヤ人の王」として茨の冠をかぶせられて十字架刑に処せられて3日後、キリストは復活します。
 日本でも最近では「イースター」と言えば、「うさぎ」「卵」が連想されるほど広まってきています。イースターと聞くとなんとなく春のイメージですが、イースターは移動祝日となっており、毎年日程は異なり、「春分の日の後の最初の満月から数えて最初の日曜日」となっています。
 今年2017年は4月16日(2015年は4月5日・2016年は3月27日)でした。このイースターホリデー中に何をするのか?といえば、日曜日には教会へ行って礼拝をし、家では卵料理を食べ、家族でゆっくり過ごすのが基本となっています。
 閑話休題。イースターエッグは復活を意味しますが、カラフルに色付けをして家のあちらこちらに隠され子供たちはそれを探します。エッグハントです。エッグハントをしていると草陰から飛び出したのが「ウサギ」。イースターヘアです。イースターの「卵」と「ウサギ」は、中世まで遡ることが出来るといわれます。これをかいていると、卒業研究にまでできそうですのでこの辺で。

平石加奈、イースターを体験する。

 実際にイースターを体験してみての感想です。正直に言うと、お店がどこも空いてないので友達と遊びに行くことができません。よって、退屈です。ハロウィンとは異なります。オーストラリアでは最大のイベントとされている分、街が少し明るくデコレーションされていたり、うさぎの被り物をしている人がいっぱいいたりと楽しい気持ちにはなれたので、最終的にはハッピーでした。
 イースターホリデーはグッドフライデー、イースターサンデー、イースターマンデーと名付けられており、キリストの磔刑が執行されたという金曜日。イエスが復活した日曜日と復活翌日の月曜日となっています。この期間中は祝日なのでほとんどのお店が休みです。
 祝日でない週末でも半分以上のお店が閉まっているのに、祝日で週末の4連休となるとお店もほとんど閉まっているし、いつもは渋滞で動けない道路はスイスイ進みました。イベントの多いアデレードですが、今回はクリスマスのような大きいイベントも小さいイベントも何もありません。
 私はホリデーの間はマザーとテレビを見たり、学校での各クラスの大量の宿題をこなしたりとゆっくり過ごしました。そして、キリスト教徒はイースターの間はお肉を食べずに魚を食べるのが主流出そうなので、私も魚料理を食べました。キリスト教徒の中にはこの期間中は断食する人も少なくないようです。
 そして、他にもイースターらしいことといえば、マザーからは卵の形をした金色の大きいチョコレートをもらったので食べました。スーパーには卵やうさぎの形をしたチョコレートコーナーが設けられているほどなので、食べてから普通の週末ではなくイースターだと実感しました。
 子供達はエッグハント(卵狩り)やエッグロール(卵転がし)をして楽しむそうなのですが、残念ながら私は機会が無く体験できなかったので次回のイースターに期待します。来年のイースターは何日になるのでしょうか。

 この写真は映画「アリスインワンダーランド」の世界観を砂で作ったものになります。「アリスインワンダーランド」にはウサギが出てくるので、暑い日が続くオーストラリアのイースターにはぴったりですね。そしてこの砂アートの高さはなんと2m以上もありました。すべてが細かく書かれており、今にも動き出してもおかしくないリアルさでした。真ん中はチェシャ猫です。