2012.11.21

2012年度フランス留学座談会を行いました

2012年度フランス留学座談会を行いました

 2012年度阪南大学海外語学研修助成制度を利用して、国際コミュニケーション学部4回生の本多祐佳子さんと流通学部3回生の米元佑衣さんが、この夏フランスでの語学留学を終え帰国されました。
 流通学部真田桂子教授とともに、それぞれの留学体験談を語っていただきました。

二人ともどうしてフランスへ?

なぜフランスに?(真田)

本多さん、米元さん、お帰りなさい!無事に元気に帰ってこられて良かったですね!きっとフランス語の学習だけではなく、現地で素晴らしい出会いや経験をされたのではと思います。今日は二人の留学についてお話を伺いたいと思います。
まず、二人ともどうしてフランスへ留学したいと思われたのですか?

高校時代から…(本多)

 私はもともと高校時代から留学したいと思っていました。
しかし、なかなかきっかけもつかめず、どのように実現させたらいいだろうと思っていたところ、阪南大学の留学助成制度を知って決心がつきました。

ファッションの本場であるパリで…(米元)

 私がフランスへの留学を志望した理由は、まずファッションが好きでファッションの本場であるパリで流行の最先端のファッションを自分の目で見て肌で感じたいと思ったためです。

 それから国籍や生活習慣が異なる人たちと出会い、コミュニケーションをとることによって、語学力だけではなく人間としての幅を広げて、自分自身のスキルアップを目指したいと思ったからです。

阪南大学海外語学研修制度の活用

実用フランス語検定3級とTCF(Test de connaissance du français) (真田)

 二人とも、もともと留学したいという気持ちがあったところに、その夢を実現させるために、阪南大学の海外語学研修助成制度が後押ししてくれたのですね。
 しかしこの助成制度を利用するためには、原則として実用フランス語検定3級以上の語学力が求められていたと思います。本多さんはこの仏語検定3級に合格されましたね。
 また米元さんは、仏語検定を受けず阪南大学生として初めてTCF(Test de connaissance du français) というフランス語学力の認定試験を受け、仏語検定3級以上に匹敵する結果を出されました。
 それぞれ試験に合格するために、どのように、どのくらいフランス語を勉強されましたか?

フランス語IVのクラスで…(本多)

 まず真田先生のフランス語IVのクラスで、仏語検定合格のための傾向と対策に焦点をあてた授業をしていただいたのは効果的でした。

 授業には休まず熱心に通い、家に帰ってからも推薦してもらった参考書や問題集を出来るだけ解きました。

授業での教科書やプリント、自分で購入した参考書、それにNHKのラジオ講座…(米元)

 
 はい、私も真田先生のフランス語IVの授業で指導を受けたのは効果的だと思いました。私はちょうど秋の仏語検定3級の試験日に大事な所要が重なり、受験することが出来ませんでした。

とても残念で、もう助成金をもらって留学するのは難しいかもしれないと半ば諦めかけていましたが、真田先生からTCF(Test de connaissance du français) という別のフランス語学力の認定試験があると教えてもらい、まだチャンスがあるかもしれないと希望が湧きました。その後も真田先生から助言や指導をしてもらい、翌年3月に行われたTCFを受験して所定の成績を収めることができました。
 
受験勉強は、バイトや他の授業などでなかなか思うように時間が取れなかったのですが、アルバイトの休憩時間や通学する電車の中、それに寝る前の少しの時間、たとえ10分でも勉強するよう心がけ習慣づけていました。教材としては、授業での教科書やプリント、自分で購入した参考書、それにNHKのラジオ講座なども利用しました。

どのような理由で決めました?

留学先の決め手は!?

二人とも、フランス語IVの授業が役に立ったようで嬉しいです。
では留学先の学校はどのような理由で決めましたか?

ヴィシーのカヴィラムとパリのフランスラング…(米元)

 私はヴィシーのカヴィラムに4週間、その後パリのフランスラングで2週間のコースで学びました。何といってもファッションの本場はパリですが、フランス語初級レベルのうちにいきなりパリで生活するのが不安だったので、パリとヴィシーの二つの学校で語学研修を行うことに決めました。
 ヴィシーのカヴィラムを選んだ理由としては教育機関がしっかりしていて、課外活動が盛んだという点とヴィシーの街自体がこじんまりしていてとても治安がいいのでのんびり勉強できるかなと思い決めました。
 パリのフランスラングは学校に日本人のスタッフが働いているのでパリでの生活も安心して過ごせると思い決めました。

ブルゴーニュ大学…(本多)

 私はブルゴーニュ大学を選んだのですが、ブルゴーニュ大学はパリからも1時間半という近さで、ネットやパンフレットの口コミを見て治安も良さそうだったので決めました。また授業だけでなくエクスカーションにも参加できることが魅力的でした。

現地での学習や生活について

学校での学習、寮生活は?(真田)

二人とも自分に合った良い留学先を選びましたね。紹介した留学センターのグロリアツアーズさんからの助言も大きかったのではないでしょうか。
では実際に現地に行って、学校での学習はどんな様子でしたか。
それから二人ともホームステイではなく寮生活を選んだようですが、その様子も教えて下さい。

無料のバスが迎えに…(本多)

 私のクラスは1クラス15人くらいで文法の授業の他に、フランス語の歌を歌ったりしていました。
 寮は学校から徒歩20〜30分ほどで、夏季の間の朝は無料のバスが迎えにきてくれました。部屋には机、クローゼット、棚、冷蔵庫、ベッド、シャワー、トイレがあり、キッチンは共同でした。

快適でした…(米元)

 私のクラスも10人前後のこじんまりしたクラスで、先生は熱心に教えてくれました。初めのうちは何を言っているかわからなかったのですが、だんだんと耳が慣れていきました。
 また授業中感じたことは、外国の人たちは積極的に授業に参加してものおじせず発言するところがとても印象的でした。カヴィラムの寮というのは、街中にある一般のアパートを借り上げた形で、部屋にはベッドや勉強机、ソファなどの一通りの家具や料理器具も揃っており、キッチンで料理も出来ました。また個室ごとにバス、トイレ付でとても快適でした。
  • 本多さんクラス

  • 本多さん寮

  • 米元さんクラス

  • 米元さんクラス

不便だったり、苦労したことは?

二人とも一人暮らしや寮生活を楽しんだようですね。
では今回の留学生活を通して、一番苦労したことは何でしょうか。

聞き取りが…(米元)

 だいぶ頑張ったつもりでしたが、留学前にフランス語の勉強を十分して実力をつけたとは言えなかったようで、フランスに到着して最初の3、4日はフランス語がまったく聞き取れず、何を言っているかが全然判りませんでした。

 学校の仕組みもよく分からず、教室がどこにあるのかさえ分かりませんでした。
 そしてもう1つは、留学をして3週目に体調を崩したことです。一人暮らしは初めての上に、慣れない土地でとても心細かった面もありました。しかし同じ寮の仲間が心配してくれて、代わりに買い物をしてくれたりしたので何とか乗り切れました。

毎日服を手洗い!?(本多)

 やっぱりなかなかフランス語が通じなかったことですね。最初から授業もすべてフランス語なので、先生の言っていることがわからなくて苦労しました。
 でも1週間くらいたった頃から耳が慣れてきたと感じるようになりました。寮生活では、洗濯機が有料だったので、毎日服を手洗いすることが大変でした(笑)。

留学生活の中で

楽しかったことは?

米元さん、大変だったでしょうけれど、お友達に恵まれて良かったですね。
では今度は留学生活の中で一番楽しかったことは何でしょう。

アヌシーの綺麗な景色(本多)

 毎日楽しかったのですが、一番印象に残っているのは遠足です。保養地で有名なアヌシーへ行く機会があったのですが、その綺麗な景色をみて本当に感動しました。
 スイスにも行って、モンブランにも登り、日本ではなかなか見ることのできない景色に出会った3日間でした。

全てが新鮮で(米元)

 初めての留学、初めての海外だったので、やはり見るものすべてが新鮮で毎日がとても楽しかったです。中でも今回の留学で何より楽しかったことは毎日様々な人に出会えたことと、パリの街で美術館に行き本場のファッションディスプレーを見られたことです。

 学校では週に1回新しいクラスメイト入ってきます、友達の友達など毎日のように新しい友達が出来て、様々な国籍の友達ができました。そして現地の人の温かさにたくさん触れることもできました。
 
 パリでは毎日早起きをして美術館に行ったり有名な建造物を見に行ったりと有意義に過ごすことができました。
  • スイス

  • モンブラン

  • ルーブル美術館

  • 国立音楽アカデミー

留学を経て日本に対する印象は変わった?

印象に残ったことは?日本の見方は?…(真田)

 異国に住んで、旅する醍醐味は、新しい風景に出会い、人に出会うことです。二人ともまさにフランスの豊かさに触れその醍醐味を味わわれたのですね。
 では実際に本当のフランスを見て特に印象に残ったことは何でしょう。また留学を経て日本への見方も変わりましたか?

荷物を持っていると助けてくれて(本多)

 フランスでびっくりしたのは、親切な人が多いことです。私が大荷物を持っていると必ず助けてくれる人がいました。
 その他には華麗なイメージのフランスだったのですが、地下鉄の雰囲気が悪かったり街中に物ごいをしている人がたくさんいて、少し怖かったです。
 あらためて日本は安全だなあと思いました。

ファッションの色合いが(米元)

 私は、建造物や街並みがさすがフランスだなと感じました。パリのファッションも小物の合わせ方や色遣いも日本とは違いがすごく印象に残っています。その他に、私も思った以上にパリの街には物乞いをする人が多いと感じました。パリでは地下鉄などもよく利用しましたが、いつも緊張感を持って行動しなければなりませんでした。翻って日本は平和で安全だなあと思いました。

多民族国家で過ごして…

成長したところは?(真田)

 実際に生のフランスを見て、二人とも光の側面だけでなく影の部分があることにも気がついたようですね。確かに治安の面では、フランス、特に多民族が多く様々な問題を抱えているパリは気をつけなければならないと思います。
 また人々のメンタリティーや習慣の面でも、人がオープンで、とりわけ男性が女性に対して優しい面などは印象に残ったかもしれません。
 では今回の留学で、自分は成長したなと感じることはありますか。

行動力が身につきました(本多)

 以前より行動力がついたと思います。
 何かやりたいことがあっても、迷っている間にやらずに終わってしまうことが多かったのですが、とにかく何でもチャレンジしようと思えるようになりました。

自信が付きました(米元)

 これまで海外に行ったことが無く、ずっと実家に住んでいた私にとってこの留学生活は初めてのことばかりました。
 1人では何もできないと思っていたのですが、自分が思う以上に、私ってこんなこともできるのだと毎日毎日発見の連続でした。

 そして帰国した今、無事に6週間の留学を終え日本に帰ってきたことによって少しですが、確かに自分に自信がつきました。

後輩たちへのメッセージ

後輩達へ(真田)

 今日のお二人の話を聞いて、またその晴れやかな笑顔を拝見して、本当に二人とも成長したなと実感しています。
 では後輩に一言伝えたいことはありますか。

是非行ってください

 はい、皆さんも留学したいなあと少しでも思うならぜひ行って欲しいと思います。
 年齢も国籍も違ういろんな人との出会いがあったり、人生にとって本当にいい経験になると思います。

チャンスがあれば積極的に行ってほしい(米元)

 
 私も、大学4年間でもし海外に行けるチャンスがあれば積極的に行ってほしいと思います。
 
 異国の文化に触れることによって自分の視野が広がると思いますし、何より日本のいいところも悪いところも改めて認識することもできます。語学力に自信がなくて海外に行くのが不安な人もいるかもしれません。でも伝えようとする気持ちがあれば相手もちゃんと聞いてくれるし理解しようとしてくれます。そして何より国籍も性別も年齢も違ういろんな人とコミュニケーションをとることは本当に刺激になるしとっても楽しいです。

今後の目標

では最後に、留学を終えて今後の新たな目標があれば教えて下さい。

もう一度フランスへ(本多)

私はもっとフランス語を磨いて、もっと話せるようになりたいと思います。
そしてもう一度フランスへ行きたいです。

ワーキングホリデー(米元)

留学中で出会った日本人の女性の方がフランスでワーキングホリデーをされていました。
私もいつか、今度はワーキングホリデーをとってフランスへ行きたいと考えています。

フランスへ留学したいと思っている人は、真田研究室に

 二人とも長いインタビュー、有難うございました。二人の話を聞いていると、私も学生時代、初めて留学した頃の新鮮な驚きと感動が甦ってきました。元気と好奇心に溢れた若い時代に異国に留学することは、得るものも多く大きな財産になります。とりわけフランスは、英語圏や中国語圏と違って、阪南大学から留学する学生さんはまだ少なく、勇気もいることであったと思います。
 二人が大きく成長して無事に帰国され、留学のお手伝いをした私も本当に嬉しいです。その経験をこれからの人生に生かしていってほしいと思います。また、これからもフランスへ留学する阪南大学生が続々と後に続いてほしいと思います。
 フランス語に関心のある学生、フランスへ留学したいと思っている人は、是非真田研究室を訪れて下さい!