流通学部平山弘教授、2017年日本地理学会春季学術大会で科学研究費補助金基盤研究(C)による発表および
つくば市・桜川市の巡検に参加

 流通学部平山弘教授は2017年3月27日から31日にかけて日本学術振興会 科学研究費補助金により出張し、日本地理学会春季学術大会(於:筑波大学)で発表をおこなった。また、茨城県つくば市および桜川市の巡検にも参加し、筑波大学が位置する研究学園都市開設50年の歴史とそれ以前から存在している古い街並みおよび800年続く企業の価値について、ブランドの観点から調査を実施した。

今回の学会出張・巡検スケジュールはつぎのとおりである。

3月27日 移動日
3月28日 日本地理学会春季学術大会 第1日目
 午前    <東日本大震災> <熊本地震災害>
 午後    <観光>
       <地域振興>
       発表:平山 弘「ストーリー構築による地域資源ブランドの開発と課題−沖縄瑞泉酒造を中心に」
3月29日 日本地理学会春季学術大会 第2日目
 午前    <高大連携> <防災教育> <ポスター会場>
 午後    <シンポジウム 地理学のアウトリーチ・科学コミュニケーション活性化のために>
3月30日 日本地理学会春季学術大会 第3日目
 全日    巡検第3班「研究学園都市50年と重伝建真壁」
       筑波大学−つくば駅−【妻木集落】−つくばセンター竹園−洞峰公園−【谷田部市街(陣屋町)】
       −科学万博跡地−複合商業施設—(昼食)−北条市街(竜巻被害・筑波山道標)−旧筑波鉄道跡地
       −【桜川市真壁町(重伝建の街並み)・真壁伝承館(真壁絵図)】自由散策【村井醸造株式会社】−
       【創業800年の梵鐘鋳造 小田部鋳造株式会社】−つくば駅−筑波大学

【調査】

(1)訪問先企業名:村井醸造株式会社
〒300-4408 茨城県桜川市真壁町真壁72 TEL:0296-55-0005

<関東で最初の近江商人>
滋賀県日野町観光協会発行の「日野・その歴史と自然」によれば、「関東や奥州の各地へと上方商品を運ぶための中継地点として、江戸時代の初期である延宝年間(1673〜1680)に常陸の国・真壁の町へ、行商人(近江商人)であった村井重助が醤油・味噌販売の出店を構えたのが日野商人における関東出店の最も古い記録である」
(出所:村井醸造株式会社ホームページより)
(2)訪問先企業名:小田部鋳造株式会社
〒300-4408 茨城県桜川市真壁町田45 TEL:0296-55-0066

<創業800年>
関東の名山、筑波山の麓、真壁町に勅許御鋳物師の称号を持つ小田部家が、河内国(現在の大阪府)から、源頼朝によって開かれた鎌倉幕府の新興武家政治の兵備の一端を担うべく馳せ参じたのは、実に800年の昔、建久年間の事であった。鋳造には欠くべからざる良質の砂と粘土を、筑波山麓に発見して、真壁の在に居を定めたと言われている。寺院の梵鐘を鋳るのが家業であったが、幕末の頃には黒船撃退のための大砲の鋳造を、昼夜兼行で行った事も記録に残っている。戦時中は金属類の強制供出によって、多くの由緒ある梵鐘が地金として徴発融解され、その中には多くの小田部鋳造の梵鐘があった。戦後35代目庄右衛門は、梵鐘と共に家庭用品、工業用品等も製造していた。現在では、関東地方唯一の梵鐘、半鐘、天水鉢製造元になり、37代目庄右衛門によって家業が引継がれている。
(出所:小田部鋳造株式会社ホームページより)

3月31日 移動日

なお、今回の発表テーマをベースに本研究課題「中小・零細企業に必要とされるプラットフォーム化とブランド価値創造戦略の重要性」の中間報告として、論文作成をおこない、まとめとする予定である。

【謝辞】

本研究はJSPS科研費 JP16K03966の助成を受けたものです。日本学術振興会 2016年度科学研究費補助金(基盤研究(C)課題番号:16K03966「中小・零細企業に必要とされるプラットフォーム化とブランド価値創造戦略の重要性」)。