平成26文部科学省指定スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール 兵庫県教育委員会設置「運営指導委員会」に学識経験者として委嘱されました

 スーパー・プロフェッショナル・ハイスクールとは、「社会の第一線で活躍できる専門的職業人を育成するため、先進的な卓越した取組を行う専門高校を指定して研究開発を行うために実施する」ものです。文部科学省は日本全国で41校の応募の中から10校を指定し、そのうち兵庫県からは兵庫県立西脇高等学校(家庭)と兵庫県立龍野北高等学校(福祉)の2校が選ばれることになりました。
 そのため兵庫県教育委員会高校教育課は「指定校の運営に関し、専門的見地から指導、助言、評価に当たる運営指導委員会を設ける」ことになり、この事業に学識経験者の立場として兵庫県教育長から委嘱されました。
 7月1日に開催された「第1回兵庫県スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール運営指導委員会」で、平山学部長は「文部科学省教科用図書検定調査審議会専門委員や松原市基本計画審議会副会長等を歴任し、また、高等学校での勤務経験もあることから、産業教育だけでなく広く高等学校教育の状況にも詳しい」ということで、委員長に選任されました。

 この運営指導委員会では兵庫県スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール運営指導委員会設置要綱第2条で示されている、「委員会はスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール指定校(以下、「SPH指定校」という。)が、実践研究を行うにあたり、次に掲げる事項について協議し、専門的見地から指導、助言、評価を行う」ことになっています。
 (1) 事業の内容及び研究方法に関すること
 (2) 事業の研究成果と課題に関すること
 (3) その他事業の目的を達成するために必要な事項に関すること

平山弘学部長の話

 「今回文部科学省から平成26年度スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール指定校に選ばれました兵庫県立西脇高等学校と兵庫県立龍野北高等学校の二校の「兵庫県スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール運営指導委員会」委員に委嘱されましたことは、非常に名誉なことだと思っています。わが国を取り巻く経済社会の変化や産業構造の変革に対して、「家庭」「福祉」「看護」「農業」「水産」「工業」「商業」「情報」といった学科からなる専門高校においては、いち早く時代に即応した対策を採り続けなければ、この厳しいグローバル社会を生き抜く生徒たちを育成することは難しくなってきています。そのため、文部科学省は平成26年度において8,400万円の予算を投入し、「高度な知識や技能を身に付けた、社会の第一線で活躍できる専門的職業人の育成」を図ることになりました。
 指定期間は3年間になりますが、この間さまざまな現行教育課程の基準での研究開発に加え、新たに現行教育課程の基準によらない教育課程の編成・実施による研究開発も可能であることから、そうした研究成果を、今後の教育課程等の改善に関わる実証的資料に資することが最も重要な事業目的になっていきます。
 兵庫県スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール運営指導委員会委員として、また委員長として、両校の現場の先生方の意見や考え方、地域からの期待、生徒たちの思い、兵庫県教育委員会高校教育課の方向性も踏まえながら、よりよき研究成果につながるよう、しっかりとサポートしながら、その運営指導にあたっていきたいと考えています。」

平成26年度スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール指定校  研究開発課題及び研究開発の概要(一部)

兵庫県立西脇高等学校
(家庭)
【研究開発課題】
cool Japan  cool Bansyuori
—播州織再発見と西脇産ブランド発信—
【研究開発の概要】
1. 播州織産地としての、伝統ある織物や昔ながらの職人技を再発見し、世界に誇れる技術や日本の文化、織物の文化を理解するとともに、企業で使用されている織組織制作コンピュータシステムを導入し、播州織生産の最先端技術を身につけた将来の播州織スペシャリストを育成する。
2. 消費者のニーズに応え、「売れる商品」の企画を研究する等、播州織製品のプランニング・デザイン・リサーチ・マーケティング・プロデュースをする力を身につけた地域産業を担う将来のスペシャリストを育成することを通して、地域産業を生かした新たな「家庭に関する専門学科」の在り方を研究する。
3. 播州織のすばらしさとともに、NSHブランド(西脇生活情報科ブランド)として、高校生の感性を生かし、地域で学んだ播州織技術と日本文化や西脇の文化を秘めたオリジナルブランドを世界に発信する。
4. 播州織でつながる町づくりのすばらしさを再認識し、「播州織で織りなす町」を西脇高校から情報発信し、コミュニティづくりを行う。
兵庫県立龍野北高等学校
(福祉)
【研究開発課題】
ソリューションフォーカスの視点に立つスーパー・プロフェッショナル・ケアワーカーの育成
【研究開発の概要】
1. 地域や他の教育機関と連携し、生徒が主体となって機能回復・機能維持・介護予防のためのレクリエーション企画運営や介護の知識・技術の提供を行い、思考力や表現力、判断力を養う。また、電子機器を使用した教育内容の充実を図る。
2. 看護科(専攻科)と合同で医療的ケアについて学び、実際の医療・介護現場を想定した連携方法の実践を行い、相互理解を図る。また、初任者研修を行っている学校の指導教員を、外部講師のサポートのための医療的ケア補助要員として育成する。
3. 外部の社会福祉関係機関・企業との連携や、他学科との校内連携を図り、車いすファッションショー(Welfare-Collection)などの取組を行う。また、社会福祉士養成大学やNPO法人との協働を通して問題解決志向を養う。
4. 一般のケアワーカーが介護技術を競い合う各種競技大会への参加等を通じて高度な介護技術の習得とその指導法を研究する。

平成26年度兵庫県スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール運営指導委員会

【委員】
   担当 所属 役職 氏名
学識経験者 総括・委員長 阪南大学流通学部 学部長・教授 平山弘
家庭・副委員長 神戸大学大学院人間発達環境学研究科人間環境学専攻 教授 井上真理
福祉・副委員長 兵庫大学福祉学部 学部長・教授 吉原恵子
関係 家庭 兵庫県産業労働部産業振興局工業振興課 課長 瀬川里志
行政 福祉 兵庫県福祉部社会福祉局社会福祉課 企画調整参事 阪元佳一
学校関係者 家庭 兵庫県立西脇高等学校 校長 門脇千里
主幹教諭 藤原容子
福祉 兵庫県立龍野北高等学校 校長 小林和明
教諭 井本有二
兵庫県教育委員会 高校教育課 課長 中野憲二
【事務局】
兵庫県教育委員会事務局
高校教育課
副課長兼高校教育改革班長 宮垣  覚
指導主事 清水道子
指導主事 中前純一

平成26年度スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール指定校一覧

  都道府県 設置種別 学校名 実施学科
1 宮城県 公立 宮城県農業高等学校 農業
2 山形県 公立 山形県立酒田光陵高等学校 情報
3 埼玉県 公立 埼玉県立常盤高等学校 看護
4 石川県 公立 石川県立工業高等学校 工業
5 岐阜県 公立 岐阜県立岐阜商業高等学校 商業
6 静岡県 公立 静岡県立焼津水産高等学校 水産
7 愛知県 公立 愛知県立豊田工業高等学校 工業
8 兵庫県 公立 兵庫県立西脇高等学校 家庭
9 兵庫県 公立 兵庫県立龍野北高等学校 福祉
10 福岡県 公立 福岡県立福岡農業高等学校 農業

資料出所

平成26年度第1回兵庫県スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール運営指導委員会資料。
平成26年度第1回兵庫県スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール運営指導委員会参考資料。