「日本代表も狙える素材」――大学屈指の左サイドバック、ベガルタ仙台へ―― 二見宏志 選手

「日本代表も狙える素材」――大学屈指の左サイドバック、ベガルタ仙台へ―― 二見宏志 選手

「日本代表も狙える素材」――大学屈指の左サイドバック、ベガルタ仙台へ―― 二見宏志 選手

Jリーグ3チームのオファーの中からベガルタ仙台加入を決意

――身体能力が高く、守ってはフィジカルコンタクトの強さやヘディングの強さ、優れた危機察知能力を存分に発揮してチームのピンチを救い、攻撃面ではタイミングのいいオーバーラップ、正確なクロスボールで、再三、チームのチャンスを演出する。目を見張るほどのロングスローや強力なミドルシュートも大きな武器だ。攻守両面において、2012年の総理大臣杯全日本サッカートーナメント優勝や関西学生リーグ優勝など、チームの数々のタイトル獲得に貢献してきた阪南大学の誇る左サイドバック、二見宏志選手。本職はサイドバックだが、チーム事情でセンターバックとしてプレーしたこともあり、ユーティリティさも魅力だ。
 2013年ユニバーシアード日本代表にも選出された、大学屈指の左サイドバックは、Jリーグ3チームからオファーを受けた中からベガルタ仙台を選んだ。ベガルタ仙台ではすでに昨季、2013年JFA・Jリーグ特別指定選手として、21節柏戦で86分に途中出場し、4分間という短い時間ながらJリーグデビューを果たしている。Jリーグ初出場にも、「そこまで緊張はしなかった」と言う物怖じしない性格もストロングポイントの一つだろう。

ベガルタ仙台を選んだのは、キャンプに練習参加させてもらった時に、チームの雰囲気がよくていいチームだなと感じたので決めました。それにスカウトの都丸(善隆)さんが熱心に誘ってくださったことも大きかったですね。僕が小学校や高校の時のプレーの映像や、2012年のシーズンのベガルタのゲームとかを編集してくれた特製DVDを作って下さったりして、自分のために作ってくれたことを考えたら、大事にしてくれるクラブだなと思いました。

ベガルタには、阪南大学の先輩の梁勇基さん(2003年度卒)もいらっしゃって、キャンプや特別指定選手で帯同した時とかも、何かと声をかけてもらったりしました。
 勇基さんはプロ生活も長いし、これからもアドバイスを聞かせてもらったり、勇基さんの姿とかを自分で見て自分なりに感じて、プロの生活の仕方とか学んでいけたらいいなと思ってます。阪南大学の先輩後輩といっても、勇基さんは仙台で活躍されてる凄い先輩で、別格の存在だと思うんですけど、僕も頑張ってそういう存在になれたらいいと思います。
 特別指定で試合に出た時は、本職の左サイドバックじゃなくて、左の前(2列目)のポジションでの出場だったんですけど、そこまで緊張はしなかったですね。残り時間も少なかったし、「一発やったろうかな」みたいな感じでした(笑)。短い時間ながらチャンスは作れたんですけど、アシストや得点はできなかったので、やっぱりあの短い時間でもアシストでも得点でもいいから結果を残したかったですね。ただ、結果は残せなかったんですけど、Jリーグの雰囲気は多少掴めたかな?と思います。

戦う姿勢や、勝ちに貪欲なところを見てほしい

――ピッチでは戦う姿勢を前面に出した闘志あふれるプレースタイルが魅力の二見選手だが、ピッチを離れると、明るい性格で愛されキャラの一面も見せる。
 昨年7月22日に阪南大学で行われたベガルタ仙台加入内定記者会見での写真撮影時には、スタッフから「いつものポーズは?」と冗談で促されて、咄嗟に機転をきかしてポーズをとったり、特別指定承認前の19節ベガルタ仙台対川崎フロンターレ戦の行われたユアテックスタジアム仙台では、スタンドのサポーター席に挨拶に行き、ハンドマイク片手にサポーターを大いに盛り上げた。

 記者会見の時の写真のポーズは、いつもやってるポーズとかは全然ないんですけど、無茶ぶりされて(笑)、即興であのポーズをやりました(笑)。
 
 川崎戦でサポーター席に行ったのは、特別指定が承認される前でまだ試合に出られない時だったので、「来年応援してください。お願いします」という気持ちで挨拶に行きました。チームが勝つためにはサポーターの力も必要だと思ってるんですけど、本当にユアテックスタジアムの雰囲気は凄くいいですし、できるだけ早く試合に出てサポーターの方々の前で、いち早く活躍できるように頑張りたいと思ってます。

 サポーターの方に見てほしいところは、まず戦う姿勢だったり、勝ちに貪欲なところを見てほしいですね。それにDFなんで、激しく行くところとか、フィジカルの強さとかそういうところは大事にしたい。そこで負けていたらチームも苦しくなるし、そこを大事にしないと自分のセールスポイントは消えるので、そういうところは負けたらいけないと思ってます。あとはダイナミックな攻撃参加とか、クロスにこだわってしっかりクロスを上げているので、そういうところも見てほしいですし、ロングスローも見てほしいですね!

今までならパスを選択していた場面で自分でシュートを打つようになった

――持ち味であるダイナミックな攻撃参加や、精度の高いクロスに加え、最近はシュートの意欲も増している。昨年の関西学生リーグの後期最終戦の大阪体育大学戦では、前半に先制され、0−1で迎えた50分に二見選手がスタンドをどよめかすほどの豪快なミドルシュートを叩き込んで1−1の同点とし、3−1の逆転勝利への口火を切った。

 自分はサイドバックなんですけど、最近はシュートの意識を高く持っていますね。最終戦の体大戦のゴールは、4年間のベストゴールですね。あんなシュート、練習でも打ったことないです(笑)。あの時は左サイドで(泉澤)仁がフリーやったんですけど、自分がボールを受けた時のファーストタッチがよかったんで、思いきって打ちました。今までやったら、結構自分でシュートを打てるっていう場面でも、仁がフリーやったら仁の方がシュート上手いし、確実なんでパスを選択してたんですけど、最近は、“でもそこでもやっぱり自分で行く”っていうか、“自分でシュートを打つ”というのは意識してますね。
 やっぱり得点獲らないと目立たないというか(笑)。
ソンギさん(朴成基ヘッドコーチ)には2年の時くらいから、「シュートを打て」って言われていたんですけど、最近になって、自分の中でもシュートを打てる余裕が出てきましたね。ああいう体大戦のゴールみたいなのをプロでも打って行きたいですね!

阪南大学ではポジショニングやチーム戦術を学んだ

――奈良育英高校から阪南大学に進学した二見選手。高校卒業時には現実問題としてプロを意識したことはなかったそうだが、大学で成長するに従い、プロを意識するようになった。

 阪南大学を選んだのは、強いと聞いていたし、練習に参加した時に、サッカー専用の人工芝のグラウンドが2面半あって環境もよかったので、決めました。

 現実的にプロを意識しだしたのは大学2年の終わりに全日本大学選抜とかに選ばれたりして、3年のシーズンが始まった頃くらいじゃないですかね。
 阪南大のチームメートはみんな、「プロになる」って言ってたんで、その中で自分もだんだん意識が変わってきましたね。それに阪南大はよくプロのチームと練習試合とかするんですけど、プロチームとやってもサテライトチームとかなら結構勝ってたりもしたんで、自分も結構やれるという気持ちになってきて、「あとは運やな」と思ってました。

 阪南大学で成長したところは、チーム戦術を学んだこととか、ちょっとしたポジショニングの違いで変わる部分とかがあるんですけど、そういうポジショニングを学べたのは大きかったと思うし、成長した部分だと思います。
 ポジショニングは試合を経験する中で、「今までのポジショニングでは失点してたから」と感じて試合しながら直していった感じですけど、(須佐徹太郎)監督が1試合でポジショニングができてないから試合から外すとかではなくて、長い目で見てくれて、4年間外さずに試合で使ってくれたおかげで、4年間の試合を通じて成長できたと思ってます。
 チーム戦術は高校までは身体能力とかで守れちゃうので、そんなに意識してなかったんですけど、大学で大事かなと思うようになりました。1部リーグの大学にはやっぱりユースチームや高校のいい選手が集まるので、身体能力だけでは守りきれない時もあって、そういう時にどうしたらいいのかというチーム戦術を、毎試合毎試合、スタッフが試合のビデオを編集して、ミーティングで教えてくれたので、それも本当に自分たちのためになったと思います。
 今はJリーグのどのチームも分析とかしますよね。僕らは、それを大学1年生のときから4年間当たり前にやってきたので、それがプロになって初めて知る特別なことじゃないし、自然にプロになる準備ができてるというか。自然とその分析とか戦術とかの考え方もわかってるし、自分でも考えるようになってる。そういう面でも阪南大に来てよかったですね。
 私生活の面では、1〜2年の時は寮生活なので、大学で初めて親元を離れて寮生活をしたんですけど、自分のことは自分でしないといけないし、そういう経験も含めて、大学でプロに行く前の準備ができたのはよかったと思います。
寮生活では正直プライベートもないんですけど(笑)、寮ではみんなで楽しかったし、選手だけで過ごすなかで、コミュニケーション能力だったり、わがままだけじゃ生活できないということを学べたのは大きいと思います。

国際試合を経験し、“身体を張る”とか、“戦える”というベースの部分が重要と感じた

――大学2年時に初めて全日本大学選抜に選出され、国際試合を経験する中で学んだことも多かった。2012年8月には全日本大学選抜の一員としてスペインで行われたアルクディア国際ユース大会という20歳以下の大会にも出場。スペイン代表に2−1で勝利するなど、貴重な経験を積み、2013年はユニバーシアード日本代表として日本の銅メダル獲得に大いに貢献した。

 高校まではサッカーで海外に行ったことがなかったので、全日本大学選抜に選ばれて、初めて海外の選手と試合をして楽しかったですし、感じたことも多かったですね。
日本人の特徴はすばしっこさというのもあるので、仁とか専修大学の仲川(輝人)くんとか、すばしっこい選手の特徴を活かせるようにサポートをすることが日本にいるとき以上に大事と思ったし、勉強になりましたね。あと、海外の選手は日本人みたいな細かい(プレーをする)選手がいないんで、球際とかでも、バーン!と当たり合う感じなんですが、DFとしては自分はそういう当たり合いとかが好きなんで結構合ってるかなと思いましたし、楽しかったですね。
 3年時にスペインで開催されたアルクディア国際ユース大会でスペインと試合して2対1で勝ったんですけど、個人の能力はスペインの方が上じゃないですか。でも、“組織としてまとまればなんとかなるもんやな”というのはありましたね。あの試合はみんな必死で身体を張って声を出してましたし、テクニックうんぬんより、そういう身体を張るとか、戦えるとかいうベースの部分が重要というのは凄く感じましたね。
 ユニバーシアードのグループリーグ第3戦のウルグアイ戦も印象に残ってますね。
 ウルグアイ戦は、仁と(窪田)良と僕と、阪南の3人が揃ってスタメンで出た試合で、11人のうち3人が阪南の選手で戦えたっていうのも嬉しかったですし、すでに予選リーグ突破は決まっていたので、その試合は普段はサブの選手が中心だったんですけど、そのメンバーでしっかり勝てたというのが大きかったですね。

インカレ敗退の悔しい経験はJの舞台で活かしていく

――2012年度は総理大臣杯優勝、関西学生リーグ優勝と2冠を達成。2013年度は、二見選手、工藤光輝選手(コンサドーレ札幌内定)、可児壮隆選手(川崎フロンターレ内定)、泉澤仁選手(大宮アルディージャ内定)、窪田良選手(徳島ヴォルティス内定)の5名のJリーグ内定選手を擁し、総理大臣杯、関西学生リーグの連覇とインカレ初タイトルを目標に戦ったが、残念ながら総理大臣杯は出場権を逃し、関西学生リーグ2位、インカレは2回戦敗退と無冠に終り、念願のインカレ初タイトル獲得は後輩たちに託すこととなった。その悔しさはきっと、Jリーグの舞台で晴らしてくれることだろう。

 4年間で一番印象に残っている試合は優勝した2012年の総理大臣杯準決勝の早稲田大学戦ですね。1−1で延長戦に入って、延長後半4分でゴールが入って2−1で勝ったんですけど、本当に緊迫したゲームで、延長後半くらいになったときに、めっちゃやってて楽しくなってきた。あんな締まったゲームは初めてだったというか、両チームとも激しく行くけど、試合は荒れないし、どっちも簡単なミスをしない。勝ち負けももちろん大事なんですけど、「今、この試合をしていることが大事」と思えるような楽しさでしたね。試合がナイターで、雰囲気もよかったというのもあったし、全部ひっくるめて印象に残ってます。
 今年のインカレは大学サッカー最後の試合だったし、本当に勝って結果を残して卒業したかったんですけど、2回戦であっさり負けてしまった感じでほんまに残念です。
 ただ、本当に阪南で4年間サッカーができたことはよかったですね。
 インカレではトーナメントの怖さというのも感じたし、こういう経験を活かして、これからプロでもナビスコカップとか、天皇杯とかトーナメントの試合はあるので、そういう試合で勝てることを目指していきたいです!

日本代表を一回は経験したい虎視眈々と狙っていく

――須佐徹太郎監督からは「ヘディングも強く、ボールの落下点に対する察知能力が長けているし、本能的に危険なポジションを察知する能力も非常に高い。経験を積んでいけば十分に代表を狙って行ける素材」と将来性を高く評価されている。貴重な左利きの左サイドバックとして、いよいよ今季から踏み出すプロでのさらなる活躍を期待したい。

プロでの目標は、とりあえずは、次の契約更新の時に、0円提示じゃないように(=契約を更新されるように)頑張っていきたいです。長くしっかり監督の信頼を得られるような、一年間通して波のない選手になりたいですし、一年目からすぐに試合に出られるように頑張っていって、ひとつでも多くのアシストを上げるとか、数字にこだわってサッカーしていきたいです!

 Jリーグで阪南のチームメートと対戦するのも楽しみですね。対戦して試合が終わってからは、勝ち負け関係なしに、「メシ行こか?」みたいに言い合えるいい関係を保っていきたいですね。僕らも去年Jリーグに行った先輩の、ホンちゃん(本多勇喜選手/名古屋グランパス)や、竜くん(飯尾竜太朗選手/松本山雅FC)が試合に出たりしてるのを、阪南のみんなでチェックして、試合に出たり活躍してたら喜んでいたので、僕も試合に出られるように頑張って、後輩たちにいい姿を見せられたらいいかなと思います。
 日本代表はやっぱり一回くらいは行きたいですし、経験したいですね。一回いけたらまた欲が出てくると思いますけど。でもそんな簡単に呼ばれるところでもないし、そんなに甘くないっていうのも自分の中でわかってます。
「代表を狙える素材」とか「素材は凄い」って言われる人は日本でも全国のJリーガーでもたくさんいると思うんですけど、「素材」だけで終りたくないという思いもありますし、虎視眈々と狙っていきますね!

阪南大学アスリートインタビュー

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