須佐徹太郎監督

「後半、足が止まってしまった。そこはもっと鍛えていかないといけない」

——試合を振り返って。

「後半は足が止まりましたね。リードしているからか、後半立ち上がり、あまりにも消極的すぎた。それでもうまくいってる部分もあったんですけど、いざ攻めにかかったとき、ボールをとられたりする。さらにそこからうまく相手にボールを回されて(相手との)1対1で負ける。一番よくない個で切り開かれました。でも、その前にまず(足が)動いてない。こちらが攻め返さなきゃいけない場面でもうほとんど有効にボールを運べなかった。
 相手が前に出てきたときのプレッシャーに負けたと言えば負けたのかもしれないですね。もっと仕掛けなければいけなかったときに、動きが小さくセーフティにいかなきゃいけないときにボールをつなげなかった。動いてないんですよ。こぼれ球拾えないし、拾おうとしないし、相手ボールのときに、そこを追いつめられるところで追いつめようとしないし。そういう意味での走りができていないですね」

——総理大臣杯に向けての課題はそういうところですか。

「そうですね。今日の試合で出た課題というのは、実はリーグ戦のゴールデンウィークの3連戦の3戦目の大阪学院
大学戦(7節・5月9日・3−3の引き分けで、開幕からの6連勝が止まる)でも出ているんです。大院大戦も後半に足が止まってしまった。今日もまったく同じで、その問題点ははらんでいます。そういうところを改善していかないといけないんじゃないですかね。
 リーグ戦の大院大戦も、5月3日に関西大学戦(◯3−2)、6日に京都産業大学戦(◯1−0)があり、3連戦の3日目で疲労も蓄積されていたと思うんですよ。今日も、関西学生選手権準々決勝の関西大戦(5月30日・◯4−1)、準決勝の大阪体育大学戦(6月3日・◯2−1)という関西大、大体大という強豪チームとの激闘を経ての3連戦の最後で体力的にキツイのはわかるんですが、苦しいときにしっかり自分たちで相手に対応できるようなプレーをしきれるかどうかです。そこはもっと鍛えていかないといけないんじゃないかと感じます。
 あと、今日は関学大に3点目を取られたあと、がっくりきてしまって、その後は縦への推進力をなくしてしまいました。不利な状況を跳ね返せるような不屈の精神力も足りなかったですね。体力面、精神面ともに、もっと向上しないといけないですね」

——来週(14日)にはすぐにリーグ戦(大阪体育大学戦・14時・J−GREEN堺・メインフィールド)があります。

「まず精神的にキレないようにしたいですね。この敗戦が尾を引くととんでもないことになりますから。そこをちゃんと切り替えさせます」

松下佳貴選手(主将・MF⑭・4年)

「この敗戦からしっかりと切り替えて、しっかり次の試合に向けて取り組んでいきたい」

——前半失点しましたが、すぐに追いつき、逆転へ。いい流れで後半に向かったと思うのですが、後半途中から試合の流れが変わってしまったようですが。

「そうですね。前半も後半の最初も自分たちがいい形でサッカーができてたのもセカンドボールがしっかり拾えてたのが大きいと思うんですが、後半途中からセカンドボールを上手く拾えない時間が出てきた。走り負けというか、その部分が大きかったかなと思います。自分たちと関学とで取り組んできたことへの詰めの甘さだったり、その差が試合で点差として出たのかなと思います」

——関学大には去年も公式戦で2分け2敗と勝てていなかったので、この試合に賭ける意気込みも強かったと思いますが。
「全員、気持ちも入っていましたし、それが前半のプレーにも表れていて、みんなしっかり前がかりに行けていて、いいプレーも結構たくさんありましたし、実際逆転もしていい流れで後半を迎えたんですけど、後半そこで追加点が獲りきれなかったのが大きかったかなと思います」

——警戒はしていたと思いますが、結果的に関学大の呉屋選手ひとりに5得点を喫しました。

「呉屋の良さを僕たちが引き出してしまった形になってしまった。やっぱり相手のエースストライカーに点をバンバン獲らせてしまうと相手も勢いづきますし、そういう面でもやっぱり抑えないといけない選手だとみんなが実感というか理解はしてたんですけど、そこを相手に一枚上を行かれたっていう感じです」

——すぐに14日にはリーグ戦も再開されますが、(大阪体育大学戦・14時・J−GREEN堺・メインフィールド)どのように気持ちを切り替えていきますか。

「関西選手権としてはもう終わったんで、この負けを引きずることなく、しっかり次のリーグ戦で勝ち点3を獲ることがリーグ優勝にもつながりますし、ここでもし負けて(首位の)関学に離されると次もきつくなってしまうので(注・8節終了現在、関学大と阪南大は両チームとも7勝1分けの勝ち点22で並び、得失点差で2点上回る関学大が首位。阪南大は2位につける)、しっかり切り替えて、明日からしっかり次の試合に向けて取り組んでいきたいと思います」

——関学大とはリーグ戦でも首位を争っていますね。

「去年から関学に勝てていないということはずっと自分たちの中では大きくて悔しいことなので、まずはしっかり勝つことですね。内容云々じゃなくて、しっかり結果として出すためには強い気持ちを出すことが必要だと思います。次にリーグ戦で関学と試合するまでは時間があるので(注・関学大とのリーグ戦は10節・9月9日・18時・ヤンマーフィールド長居)、徐々に良くなっていければいいと思います」

——14日のリーグ戦が終わると、松下選手には7月2日から韓国で開催されるユニバーシアード・光州大会が控えます(注・阪南大学からはMF松下佳貴選手、MF八久保颯選手、MF重廣卓也選手の3選手がユニバーシアード日本代表に選出)。ユニバーシアードが終わると8月に総理大臣杯がありますが、この敗戦を個人的にも、チームとしても今後にどう生かしたいですか。

「ここで、しっかりこの試合をいい教訓にして、個人的にはユニバーシアードもありますし、チームとしては総理大臣杯、リーグ戦、インカレにつなげていきたいと思います。すべての大会でタイトルを獲るということが必要となってきますし、そのタイトルを獲る目標がないと1番にはなれないと思うので、しっかりもう一度チーム全員の目標と言うのを同じものにするために、しっかりすり合わせてやっていきたいと思います」

(取材・文/フリーライター・尾崎ルミ)