<1>我が国の製造業が直面している問題点と解決策の整理

 松原市に立地する地元のものづくり企業も厳しい国際競争の波にさらされており、ブランド構築へ向けた取り組みが必要なのではないかと考えた。そこで、今回のキャリアゼミの活動を通して、松原市の地元のものづくり企業について、ブランド構築を目的として発表を行った。

<2>提案先企業について

 阪南大学の地元松原市に立地するコーマ株式会社に関する発表を行った。コーマ株式会社は「高い開発力と技術力でソックスの未来を切り開く。」をコンセプトに、ソックスの製造販売を行っている企業である。

<3>インタビュー調査の実施

 コーマ株式会社の現状と今後の方向性についての情報収集を目的として、インタビュー調査を実施した。インタビュー調査の結果、今後は自社ブランドに力を入れ、製品の見せ方や付加価値にもこだわっていきたいとする姿勢が主に分かった。

<4>コーマ株式会社のマーケティング分析

 マーケティングの4つのPの考え方に基づき、コーマ株式会社のマーケティング分析を行った。ブランド構成について整理するとともに、各ブランドの価格帯、販売経路、プロモーション活動の取り組みについて調査・分析を行った。この結果、コーマ株式会社のブランドの中でも「FOOTMAX」に関する発表を行おうと考えた。また、本社そばに位置する直営店「PONY-SHOP」を有効活用できないかと考えた。

<5>コーマ株式会社直営店「PONY-SHOP」リニューアル提案

 本研究のまとめとして、「PONY-SHOP」を「FOOTMAX」のブランドの世界観を表現する店舗としてリニューアルする案を提案した。「PONY-SHOP」の現地調査を実施し、その問題点を抽出し、
・「FOOTMAX」ブランドに絞る。
・店内にディスプレイする商品点数を整理する。
・インターネット上のバーチャルな空間(オンラインショップやブログ)と融合させる。
などの解決策について発表を行った。最後に今後継続させる活動における課題を整理し本活動を締めくくった。

参加学生一覧

上野郁哉,小田大空,柏木恭平,川原健太,神田拓哉,阪上佑一郎,定森悠介,鈴木翔太,高岡亜衣,高下翔平,武石舞,竹中胡桃,長谷川啓太,松田和樹,松田昂大,山下大喜,山本真由

学生の感想

流通学部 鈴木 翔太

 キャリアゼミの発表は、7分から8分の間でプレゼンし3分ほどの質疑応答を行う。私の所属する西口ゼミでは、キャリアゼミの活動を私が代表してプレゼンをした。発表内容は、「地元企業のブランド構築に貢献する店舗デザインの実現を目指して」をテーマに、松原市のコーマ株式会社に対して、コーマさんの所有するショップをフラッグシップショップにすることの提案である。今回7分間のプレゼンをするというのは私にとって初めての経験であった。発表は7分から8分の間で終了しなければいけないが、発表の練習時から発表のペースの調整が難しいと感じた。また、当日は緊張感があり、スラスラと話すことも難しかった。発表は7分で終えることが出来たが、その後の質疑応答には苦労した。人前でプレゼンをするというこういった経験は今後役立つのだと思うので、今後の学生生活の中でも機会があれば積極的に参加していきたいと思う。

教員のコメント

流通学部 西口 真也 教授

 今年度のキャリアゼミは、西口ゼミにとって初年度の取り組みであったことから、分からないことだらけの取り組みとなってしまい、学生を些か混乱させてしまったのではないかというのが、一年間を通しての私の感想である。当初は印刷物等の広告物の提案をする予定であったが、途中で方針を転換したため、「店舗を広告として用いる」という考え方にたどり着くまでに時間がかかり、スケジュールが大幅に遅れてしまった。また、報告・記録用に提案先企業との打ち合わせの様子や打ち合わせ内容等もっと多く記録しておくべきであったというのも反省点である。ここまでは反省点ばかり列挙してきたが、以上のような点を改善しつつ、今後のキャリアゼミ活動にも挑戦していきたいと考えている。今後も引き続き西口ゼミ全体の研究テーマである店舗デザイン研究にこだわり、コーマ株式会社への提案内容のブラッシュアップを進め、実際の店舗の施工も含め、具体的に店舗空間を形づくる提案に結びつけていくことを目指していきたい。